飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」感想

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました (GAノベル)

〈あらすじ〉
現世で過労死した反省から、不老不死の魔女になって、 スローライフを300年続けてたら、いつの間にかレベル99=世界最強になっていました。 生活費を稼ぐためにこつこつ倒してたスライムの経験値が蓄積しすぎたせいみたいです……。 そんな噂はすぐに広まり、興味本位の冒険者や、決闘を挑んでくるドラゴン、 果ては私を母と呼ぶモンスター娘まで押し掛けて来るのですが――。
「だから、道場じゃないんだから道場破りに来ないでよ……」
冒険に出たことないのに最強……って、どうなる私のスローライフ! ?

ドラゴンクエスト」序盤の最弱モンスターと言ったらスライム。ドラクエ6で初めてモンスターにエンカウントした瞬間「さあスライムか?」と思ったらブチスライムで、いやいやこれはどういうこと……と困惑した記憶があります。そこは無印スライムじゃないんですか!

ブログの履歴を見てもらうとお分かり頂けるのだけど、2017年〜19年の更新率が非常に悪く、その頃の新作を結構漏らしてるんですよ。なのでその辺りから始まったシリーズモノをガサガサと探し続けていた時に目に止まったのがこの作品。紅緒神イラストです。アニメ化決定作品ですよ。

そして久しぶりの森田季節さん作品です。森田さんというと「綺麗な青春モノ」とイメージが強く(そう、あくまでも個人のイメージ)、こういう異世界転生ファンタジーモノのイメージがなく……読んでみたらまったりと楽しめて良かった。

主人公のアズサはブラック企業の過酷な職場環境で倒れ異世界に転生。その際に不老不死の魔女となり、のどかな田舎村でコツコツ300年間スライムを倒し続けてたらレベル99の最強魔女になってた、という設定。まあタイトル通りです。

本人は社畜人生で最期を遂げたことを後悔して、とにかく穏やかなスローライフを送っていたのだけどレベル99の魔女だということがバレ出してから、腕試しの冒険者やドラゴンの挑戦者、奇妙な復讐者や人助けなどなど。トラブルが続々とアズサのもとに舞い込んでくる。人が良いアズサは結局は放っておけず、トラブルを解決する度に人々(中には亜人・モンスターも)の信頼を得ていく。

300年、トラブルを避けてのんびり一人暮らしていたけれど、自分を慕って増えていく「家族」がいかに良いものか。それを感じさせてくれるアズサの人柄の良さが何よりも魅力的だと思う。ド派手な展開こそないけれど、読んでいると癒しを得られる一冊でした。そして読み終わった後に「シリーズ作品結構出てるな……」と圧倒される(笑)