飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ライアー・ライアー 嘘つき転校生はイカサマチートちゃんとゲームを制するそうです。」感想

ライアー・ライアー 嘘つき転校生はイカサマチートちゃんとゲームを制するそうです。 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
学生同士がランクを決める決闘を繰り広げる学園島。俺、篠原緋呂斗は国内最難関の学園島編入試験で歴代トップの成績を叩き出し、昨年度の絶対王者・彩園寺更紗を転校初日で陥落させ、学園島史上最速で頂点に君臨する“7つ星”に成り上がった。―ああ、もちろん、そんなのは全部嘘だ。大事をやらかした俺が学園島で目的を果たすためには、嘘でもトップに君臨し続けなきゃいけない。そのためなら俺を主人として補佐する美少女メイド姫路のイカサマも、実は偽お嬢様だった彩園寺との共犯関係も何でも使ってやる。では、世界を制する嘘を始めよう。

表紙のイラストが可愛くてずっと気になってました、という一目惚れしたような購入理由です。ラノベあるあるです。kinomiさんのイラスト素晴らしい……口絵がもっとあったら更に素敵でした。

イラストの感想はここまでにして内容について。タイトル通りの「嘘」で勝負、そう騙しやいのゲーム戦。力と力のぶつかり合いではなく、頭脳戦。なので油断して読んでると話に置いてかれるため集中力高めて読みましたよ。

頭脳戦で競い星を奪い合う学園都市を舞台に本来なら最弱なはずの転校生・篠原が、ちょっとした事故から最強の美少女・更紗を倒してしまったことから、「偽りの最強」を演じないといけないことになる……というお話。最初はなんでそんなことに? と思ったけれど、読んでいく内にそれぞれのキャラクターの目的や、周囲を騙している嘘がポツポツと明かになっていき、なるほど、この最強の座を守らないといけないな、と思ってくる。

それと同時に最弱なのに最強の座を守るの無理ゲーかと思うのだが、様々な思惑から篠原をフォローする補佐チームがつく。裏ではチート行為も行う勝つためならなんでもやるスタイル、嫌いじゃないです。補佐チームのメンバーで篠原のメイドとなるこれまた美少女の姫路は表紙になってるヒロインなのだけど、登場が更紗より後なのでインパクトで持ってかれてる感が。普段はクールだけど完全な素ではなく、終盤の不測の事態が発生した際の動揺など、未熟な部分も見えてくる。

ゲーム戦も読み慣れてくると楽しく最終的にここ勝負、どうひっくり返すのか待ち遠しくなる。終盤で見せた篠原個人の才覚もあり、真実の最強を目指す展開は楽しめそう。