「魔術士オーフェンはぐれ旅 キエサルヒマの終端」感想
- 作者: 秋田禎信,草河遊也
- 出版社/メーカー: ティー・オーエンタテインメント
- 発売日: 2011/09/24
- メディア: 単行本
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「行きたい場所と、理由があれば、方法だってどこかにはあるさ」
そう信じたいから旅立った。
「旅ってのはそんなもんだろ。そう思う」
その程度のことだ。
陸はなおも遠ざかっていく。人も、港も、建物もひとつの影になって、いつしか海の向こうに消えれば、新しい旅が始まる。
一度は終わった物語が再び動き始める。ボクにとって特別な物語が。
最終巻直後から一年間で起きたお話。
混迷を極めるキエサルヒマ大陸から大犯罪者オーフェンが仲間を集い新大陸に移住するまでの流れを描き、キャラ総出演といった感じで胸に込み上げるものがある。秋田禎信BOX版ではなかった草河遊也さんの新規イラストは鳥肌ものでした。ラストのオーフェンとクリーオウの絵に涙が出そうになったよ。
魔王オーフェンの相談役、対等に話が出来るキャラクターとしてサルアを据えたのは素晴らしい判断だと思う。オーフェンの内面を聞く人物として読んでいてサルア以上に適任はいない。
この二人はある意味で良く似ている。
アーバンラマを新大陸への出港場所として設定されたため、ドロシーやコギー、キースといった『無謀編』キャラが出てきて物語に深く関わってきたのには驚き。あくまでも『はぐれ旅』だとボクは思っていたから。キースは『無謀編』とは違ってトラブルを起こさず味方にすると本当に心強いな。相変わらずニュッと出てくるのね(笑)
しかし最大に荒れていたと思う、オーフェンの『嫁』候補が次々脱落していって、枕を濡らしたファンは多いのではないかと。レティシャと予想していたボクは随分とガックリきたものですが。『キエサルヒマの終端』を読むまでもっとも『ない』と思っていたクリーオウが、ねぇ。
そういう意味でこれは彼女がヒロインになるための物語でもあるのだと思う。
『キエサルヒマ大陸の終端』から20年後の新大陸での彼等を描く『約束の地まで』が待ち遠しい。
秋田禎信BOXを持っているから直ぐにでも読めるんだけど。ここは草川遊也さんの挿絵付きで読みたいよね。