飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「僕と彼女のゲーム戦争 2」感想

僕と彼女のゲーム戦争〈2〉 (電撃文庫)

僕と彼女のゲーム戦争〈2〉 (電撃文庫)


うおおおおゲームやりてえ!!
今回扱ったゲームは『ロストプラネット2』『HOMEFRONT』『Halo:Reach』の三本。FPS・TPSのゲームをプレイすることで現代遊戯部に連帯感が生まれる話。まるでそのゲームの中に入って現代遊戯部と一緒に戦っているような、そんな錯覚すら覚えるほど師走トオルさんの筆力の素晴らしさを感じた。特に『ロストプラネット2』に関しては僕もプレイしたことがあるので、初見の岸嶺の驚きの感覚は分かるなあ。

前回ラストで『ゲームに負ける悔しさ』を知り『ゲームと真剣に向き合う覚悟』を決めた岸嶺が現代遊戯部に正式に入部し、一連の出来事を通して憧れの天童との距離が縮まり、読書に没頭していたときからは考えられない青春の日々が始まった。しかしJGBCのチーム戦に出場するにはあとひとり足りない…ということで前回の岸嶺同様、攫ってきたのは金髪ロリ巨乳美少女の杉鹿まどか。マイコントローラーを持ち歩くほどゲームが好きで、ゲームの強い杉鹿ではあったが、一匹狼を気取る彼女は入部を拒否。勿論、それで引き下がる現代遊戯部のメンバーではなく、杉鹿とゲーム対決をすることに。その対決方法に、『対戦プレイ』ではなくて『協力プレイ』で望んだのはお見事だ。協力プレイで一度でも仲間との繋がりを深く感じるあの快感を味わってしまったら、どんなに名作であろうともソロプレイには戻れないよ。例え戻れても常に付きまとう物足りなさ。素直になれない杉鹿もまた、協力プレイの快感を知ってしまい、結局は現代遊戯部に入部。まだまだ新米プレイヤーの岸嶺は杉鹿に手解きを受けながら、天童と同じく彼女とも仲を深めていく。

ようやく四人揃い動き始めた現代遊戯部…であったが、早速邪魔が。杉鹿を見初め、許嫁を名乗っているロリコン御曹司である平泉が彼女の母親が経営する会社との取引を人質に関係を迫ろうとし、現代遊戯部から引き離そうとする。戸惑う杉鹿を見て、瀬名に後押しされたとはいえ、男らしく立ち向かった岸嶺の株価急上昇。(ゲームの中で)修羅場をくぐり、可愛い女子たちと過ごしたせいか、男としてのスキルも上がってやがる。杉鹿を賭けて平泉とFPSゲーム対決をすることになる。痛い人であるも圧倒的な実力のある『宵闇の魔術師』を雇うことでゲームを勝とうとする平泉側に対して、岸嶺は今まで杉鹿に習ってきたことを発揮し、みんなと協力することでこの困難を乗り越える様が熱い。どんなに強いプレイヤーが味方でも、強い連帯感を持つプレイヤーたちの進行を妨げることはできない。協力プレイの醍醐味を魅せてくれた!

杉鹿の問題を片付け一軒落着。それと同時に杉鹿フラグが立ったようで…この作品に『恋愛シミュレーションゲーム』は不要のようです。
ゲームで人生が代わったように青春真っ盛りの岸嶺。また新たなヒロインの登場を予感させる終わり方で、岸嶺ハーレムはどこまで拡大するのやら。