飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「背約のキャバリアー」感想

背約のキャバリアー (一迅社文庫)

背約のキャバリアー (一迅社文庫)


やはりヒロインの属性は『幼なじみ』が最強だと思うんですよ(真顔)
魔法有り、バトル有り、エロ有り、そしてお約束有り。
面白いと言われる要素を外さずに物語を構成しているため安心して読めました。

琵琶湖にほど近い街に四年ぶりに返ってきた主人公貴騎は、幼なじみの赫夜に久しぶりに再会する。様子のおかしい赫夜を追求すると、彼女は母親によって悪魔に魂を売り渡されており、それを不服であると魔界に訴え出たことから『決闘裁判』なるものを執り行うことに。その内容は、赫夜の魂を買い取る契約をした悪魔と決闘をして勝つことができたなら契約は破棄されるというもの。赫夜自身も悪魔から魔法の力を借りて『キャバリアー』と呼ばれる騎士となり決闘に挑もうと日々訓練を積んでいるのだが…とある事情から決闘に勝てそうもないことから、決闘の代理人として貴騎が名乗り出る。

この作品最大のエロイ…もとい面白いポイントは、魔法を展開する設定。身体に浮かぶ魔法円にキスをすることで魔力をチャージすることができる設定であるのだが、本来ならば手の甲に浮かぶはずの魔法円が何故か赫夜の場合は身体の何処かにランダムで浮かび上がる仕様に。つまり服から露出している部分に魔法円が浮かび上がればいいが、そうでないのならば服を脱いで魔法円を探しその箇所にキスをしなければならないし、更に言えば自分自身でキスが出来ない場所に魔法円が浮かび上がってしまえば魔力の補充もできない。

という事情から『服さえ脱いでくれれば何処にでもキスできる』貴騎が赫夜の変わりに彼女の命をかけて決闘を受けることになるのだが、待ち受けているのは血を血で争う悪魔たちとの戦い…もあるがそれ以上に、エロです。最初こそ赫夜が服を脱いで魔法円の場所を探していたのに、物語後半になると赫夜の服を剥いでキスするまでに。しかもキスする身体の箇所が過激な部分になっていくので「不可抗力」を口にする貴騎が羨ましい(本音)
飄々としながらも、消防士である亡き父の熱い想いを継いで、幼なじみを守るべく立ち上がった貴騎は非常に気持ちのイイ奴で好感が持てる。憎めない。

そんな貴騎のおかげで決闘に勝って一軒落着、かと思いきや赫夜の魂は多重契約されていたことから次々と悪魔と戦うことになる。悪魔に「財産を手に入れること」を願った赫夜の母親であるが、多重契約するほどの願いではなく、その真意は一体何であるのか。また街とそれぞれの登場人物の過去が絡み合い、何かきな臭いものを感じる伏線が散りばめられている。今後の展開を期待したい…のだけど『一迅社文庫』なので続きがちゃんと出て終わりまで辿り着けるかが心配だなあ。