飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4」感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)


今回の帯コメントは井上堅二さんですか。
同じ学園ラブコメ枠(?)に入る作家さんとはいえ、これは意外でした。

夏休みに突入しても相変わらずのぼっち生活を送る八幡。そんな何も起こらない夏休みを過ごしていた八幡であったが、平坂先生に呼び出され奉仕部の活動としてボランティアをすることに。目的地はキャンプ場。材木座を除くいつもの奉仕部メンバーに加えて、葉山を中心としたリア充組も合流し、林間学校できた小学生たちを手助けするボランティアを開始する。順調に始まったボランティア活動だが、賑やかな小学生たちの中にいる孤独な女の子・鶴見留美を見つけ、奉仕部とリア充組は彼女がどうすればみんなの輪の中に加われるのかを話し合う。しかし孤独を知る八幡と雪乃は「みんな仲良くする」なんて出来る訳ないと対立。ぼっちの先輩として八幡はこの問題にどう向き合うのか。

夏休みと言ったらリア充イベント!…なんて誰が決めた。
ボランティア活動とはいえキャンプ地に行ったにも関わらず、『ラブコメ』で起きるようなイベントがほとんど発生しないのが俺ガイル。それどころか他人のぼっち問題と向き合う回でした。
安定の八幡のぼっちあるあるで心を抉られながら、不意を突かれた際に見せる雪乃の動揺、奉仕部でひとりラブコメに励む結衣、あざといが兄想いなのは確かな小町、そして揺るぎない愛らしさを持つ戸塚と、リア充イベントがなくともそれぞれの可愛さを感じることが出来た。平坂先生は早く貰われてください…。
クラスの女子に爪弾きにされている留美。彼女に自分と同じものを感じる雪乃だからこそ、今回の問題の深さを知っている。それは八幡も同じであり、この作品に共感している僕のような人間も痛いほど良く分かる。自分の惨めを味わいながら、それでもその気持ちを否定して自分を保たなくてはならない。それを知らない人間が、八幡と雪乃が言うように、解決できる訳がない。そもそも解決できる問題ではないのだから。そんな中で八幡が出した提案は、もう底意地が悪いとしか言えない。ぶっ壊してしまえ。「徹底的にやってやれ!」と思う自分もかなり意地の悪い人間なんだと思うけど、その悪い人間が数多くいる中で、留美が出した答え…行動が今後どう発展していくのか。留美がどうしたいのか、にも寄るが全てがゼロになった今なら彼女には何か成せるのではないかと。

今回イロイロと衝突することの多かった雪乃。彼女の問題は根深そうで、今後は彼女を取り巻く問題が増えそうな予感。
ところで海老名さんのイラストが今回初登場したと言うことで、これから出番が増えるのを期待してもいいんですよね!ね!

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 イラスト集付き限定特装版 (ガガガ文庫)