飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「恋と選挙とチョコレート a novel」感想

恋と選挙とチョコレート a novel (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
大島裕樹の所属する食品研究部「ショッケン」は、お菓子を食べるだけのゆるーい部活。
しかし、次期生徒会長の最有力候補・東雲皐月は実績のない部活動は廃部にするという……。
かけがえのない自分たちの居場所を守るため、大島は生徒会長立候補を決意し、ショッケン部員たちと慣れない選挙戦に挑むことになるのだが……。
幼なじみで腐れ縁の住吉千里、何を考えているのかわからない不思議少女・森下未散、頑張り屋で健気な青海衣更など、個性豊かなヒロインたちの協力を得て、大島 は生徒会長選挙に当選することが出来るのか?

始めに言っておきます。原作未プレイです、でも読んじゃいました!
ということで、いつもの感想とは違う形で書いていこうかと。
ノベライズを担当するのはラノベ作家の三上康明さん。
ガガガ文庫・MF文庫Jを中心に活躍する作家…勘違いしていたのですが、集英社SD文庫出身だったんですね。ガガガ作家だと思い込んでしました。反省してま〜す。
『ノベライズ作品』というと、ラノベ一辺倒の僕としては別のジャンル扱いして「媒体としては近いのに遠い存在」に思えてしまうんですよ。でもアニメやゲームのシナリオライターではなく、名前を知っているラノベ作家がノベライズを担当していると興味を持ってしまうのはラノベ読みのサガ。『恋と選挙とチョコレート』に限らず、最近ラノベ作家がノベライズを担当することが増えてきたのは、ライトノベル読者を原作アニメやゲームに引っ張ってこれる可能性を考えると良いアプローチな気がします。だって僕原作やりたくなってきてますもん。
さて前置きはここまで。内容の方に移りましょう。
三上版『恋と選挙とチョコレート』は千里ルートを行きます。幼馴染みが正ヒロイン…ごくり。ラノベでは絶命危惧種なので今すぐ保護したいレベル。
主人公・大島は食品研究部『ショッケン』を廃部の危機から救うため、生徒会長選挙に打って出る。最初は嫌々出馬することになったが、『ショッケン』という自分が心の底から休まる穏やかな場所を護りたい…そして何よりも仲間たちの笑顔を護りたい想いを強めていき、有力候補者たちとの絶望的な差を盛り返していく。清々しくなるくらいバカ丸出しで真っ直ぐ突き進む大島の言動は勿論、彼を支えるヒロインたちもまた魅力。千里ルートのため、選挙戦を通して一番の支えとなっているのは千里に違いないが、他ヒロインたちも選挙を戦う上で重要な役を担っている。
一冊の物語で完結をしなくてはいけない都合上、原作で登場するキャラクター全てが出てくることはないが、ノベライズしか読んでいない僕としては余計なキャラに話を裂かれることなく進むので非常に読みやすかった。収まるべきところに収まった正ヒロインルートの安心感は異常だが、最後の皐月のさりげない『寝取り』発言が気になるぞー!
つまり皐月との話を知りたいなら原作ゲームをやれということか(笑)