飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「棺姫のチャイカV」感想

棺姫のチャイカV (富士見ファンタジア文庫)

棺姫のチャイカV (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
「……あれは――」
美しい銀の髪と、紫の瞳を持つ『棺担ぐ姫君』チャイカ・トラバント。
彼女が指をさす方角に浮かぶ、「塔」のような建造物。
かつて『禁断皇帝』との大戦争で、最強無敵と呼ばれた魔法兵器。
その名は――「航天要塞!」
『禁断皇帝』の遺体を持つガヴァーニ公爵は、その天穹高く舞う城砦に住まうという。
チャイカの望みを叶えるには、何人も侵入できない、絶死の要塞を攻略せねばならない。
しかし、公爵を狙うのは、チャイカとトールたちだけではなかった!? 
天空を舞台に、今、三つ巴の激闘がはじまる!!

いつもは話が切り良く終わるのに今回は引きで終わったため不完全燃焼。
チャイカ一行がガス皇帝の『遺体』を求めれやってきたガヴァーニ公爵統治のイヴェコの街は、不穏な空気に包まれていた。空に浮く要塞…戦時中に使用された巨大魔法兵器『航天要塞』から街の人々に圧政を敷くガヴァーニ公爵。彼が所有しているという『遺体』を盗む…じゃなくて取り戻すために、フレドリカの力を借りて『航天要塞』を乗り込むことになる。
『航天要塞』の中で起こる危機の連発。信頼で繋がるチャイカ、トール達に対して、人を操りコマのように扱う敵の魔の手が襲いかかる。本来ならば物語のバランスを崩しかねないほど強力であるはずもフレドリカが驚くほど役に立たないのが泣ける。強すぎる故に油断しすぎである。また思わぬ形で顔を合わせることになったジレット隊のヴィヴィたち潜入組が、ほとんど姿を表さないのがアカリの状況と合わせて気になるところ。『航天要塞』を持ち出したことで、ガヴァーニ公爵を逆賊と捉えた王国側が同じように『航天要塞』を動かし戦争に突入する怪しい雲行き。黒幕と考えられていた魔法師グラート。が、それ以上に不気味な人物たちが姿を表して、果たして次回どんな決着を見せるのか。
トール、死んじゃ嫌ー!(棒読み)