「正しい魔導の使い方-blood×blood-」感想
正しい魔導の使い方-blood×blood- (KCG文庫)
- 作者: 羽田トモ,住馬都
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/08/30
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
魔物から無力な人々を守る存在だったはずの魔導師たちは、
長い平和の時を経て「嫌われ者」になっていた。
しかしそれでも、私立鷹光学園に通う魔導士――脇坂正道は、
魔導は正義のための力と信じ、己の力を恥とせずに堂々とそれを人助けの為に使おうと奮闘していた。
正道たちが暮らす街「美泉」の闇に蠢く魔導士ギャング。
魔導士を狙う吸血鬼という名の殺人鬼。
仲間とともに悪に立ち向かう正統派学園異能ファンタジー。
E★エブリスタ電子書籍大賞、ヒーロー部門優秀賞受賞作品!
初KCG文庫!…ではないです。
レーベルの方向性と、一度読んだ作品に気持ちを掴まれなかったためか、それっきり読まずにきてました。機会あって、今回KCG文庫再挑戦という訳です。
自分はあまりWEB小説に詳しい人間ではないので『エブリスタ』なる電子書籍サービスがあるのを初めて知ったくらい。
そちらでの掲載があるためか、この作品は一冊で話がオチません。デビュー作は一冊の本でしっかり物語を纏め上げる新人作家の構成力を見たいと思う質なので、そこは残念かな、と。
内容に関しては、前半と後半では物語の進行速度が全く違うので、まず折り返しまで読んで頂ければ楽しめる。
前半部分は魔導師の主人公・正道が「魔導士の正しい在り方」を示したいという想いを抱きながらも、なかなか物語と噛み合ってこないので「この話は何処に向かうの…?」と思ってしまうのだが、裏で進む凶悪な事件とリンクしてくると途端物語は盛り上がりを見せる。
個人的にはヒロインの真美が幼馴染娘というのが良い。まあ双子ヒロインも十分僕の心をウキウキさせてくれましたが!
まず事件に巻き込まれたのが朱川姉妹の方なので、真美も是非関わって目立って欲しいのだが、そこは魔導の力を持つ者と持たない者で戦闘に参加できる人間に差が出るよなあ。
とりあえずは分冊なので後編を早く話の着地点を読みたいところ。