飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「一年十組の奮闘2 その少女、神聖にして触れるべからず」感想

一年十組の奮闘2 ~その少女、神聖にして触れるべからず~ (MF文庫J)

一年十組の奮闘2 ~その少女、神聖にして触れるべからず~ (MF文庫J)

〈あらすじ〉
学生のすべてが何らかの“能力”を有する特別な学校、私立天命学園。
今日も一年十組の面々は、バカバカしい、だけど最高に楽しい日々を送っていた……のだったが。
「にゃおにゃおー。十組のみんなー。あそびにきたよー♪」いきなりやってきた八組の元気っ娘――“神聖積木崩し少女”、来見坂つみき。
最初は楽しく遊ぶ十組メンバーだったが、「誰もさわることができない能力」を持つつみきの傍若無人なふるまいはどんどんエスカレート。
しまいには、つみきの側に立つ皆人と、十組メンバーの間に微妙な不和が生まれ……?
本当の友達とは、仲間とはなんなのか? ハイテンション・クラスコメディ、“絆”を問う第2弾!

一年10組の面々はほんと仲良いよなあ。マリカの雪解けもあってその仲は一層深まっている。
彼等の強い団結力を見て、つみきが「羨ましい」と思う気持ちは良く分かるよ。孤独が深かった分、余計にね…。

一年8組の来見坂くるみの「乱入」によって掻き乱される一年10組。
我が儘な上に好き放題振る舞うくるみに不満を募らせる一年10組だったが、ただひとり皆人だけは彼女を見放そうとしなかったことから、クラスの不満は爆発へと繋がっていく。

普通なら誰もが苛立つくるみの態度。そんな彼女に対して諭すように接する皆人の彼らしい行動。
けれどもその程度でくるみの振る舞いが治るのならばとっくに治っている。言い聞かせて言い聞かせてそれでも言動を改めない。
それどころか自分の「誰もさわることができない能力」を使いエスカレートする。
もうこんな奴に付き合う必要はない…とまで思うところなのだが、皆人は知っている。くるみが決して悪い人ではないことを。
だから皆人を正すために、一年10組のみんなの力を借りて戦いを挑む。
友達がいない、心を許せる人がいなかったくるみ。彼女の能力に対して皆人の力は効果バツグン…なのではなく、これまで皆人がくるみに接してきた想いの結果なのだろう。
くるみと一年10組の間に絆は生まれるのか、はこれからの彼女の心懸け次第になるのかな、と。

皆人の温かい手は誰にでも差し伸べられるのか…そのことに嫉妬を見せるマリカが可愛いよな。悪いことをしている訳でないから怒ることもできず、そりゃあ不満だわ。
また女の子が登場したら皆人が籠絡してしまうのか。そんなことを思っていたら、皆人にさかまろからSOS。よし、皆人。無視していいぞ!
まあ皆人が無視する訳ないけど。そこが皆人の良いところ!