「聖断罪ドロシー02 魔神と少年とかわいそうな魔法使い」感想
聖断罪ドロシー02 魔神と少年とかわいそうな魔法使い (角川スニーカー文庫)
- 作者: 十文字青,すぶり
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
ドロシーとカルアが辿り着いた次なる村は、荒ぶる魔神によって脅威にさらされていた。
恐怖に震える村人たちを助けようと一人息巻くドロシーの前に、色気を振りまく怪しげな女魔法使い・エルチネが現れて!?
魔法使いのことは魔法使いにしか分からない。同じ次元に立つ者同士でしか理解し合えない感覚はある。それが超常なる力を操る者となれば、より一層相手に抱く興味は強くなるのではないだろうか。
ドロシーとカルアの逃避行。たまたま立ち寄った村に現れた『魔神』は、人や家を破壊して回っていた。そんな状況を見過ご訳がないドロシーは『魔神』を食い止めるため、カルアの制止の声を聞かず躍り出る。しかしドロシーが役に立ちことはなく、苦労人カルアの活躍ともうひとり…水色の髪をした巨乳魔法使いエルチネの援護によって何とか『魔神』を足止めすることに成功するのだが…というのが今回の流れ。
カルア以外の魔法使いエルチネ。ドロシーとは真逆の豊満な胸を持つエルチネは、それを武器にカルアに迫る。そのせいでドロシーの機嫌は最高に悪いのだが、それを分かっていてもエルチネの胸を見るのを止められないカルアの男の性を誰が責められるのか。
裏表のある性格をしているエルチネは、しかし印象ほど軽い人間ではない。彼女のこれまでの足跡を読者にしっかり伝える描写は流石。「魔法使い=カルア」に拘るエルチネの想いが良く分かる。最後、エルチネの取った行動はカルアとしては予想していた出来事なのだけど、油断していたよなあ。全てはおっぱいが悪い。
正義を行いたい訳ではない。ただ許せないから。自分の信念を貫くためだけに行動をしている。ゆえにドロシーの存在は美しく見えるのだ…が、振り回されるカルアは溜まったものじゃないね。しかも今回は『魔神』…いや『虚神』が相手。どうやっても勝てない相手に対してどう討って出るのか。なるほど、タイトルの『アダムヘッド』はそういう意味だったのか。ドロシーの力は使い用によっては世界を滅ぼせるのでは…。
頭の良い子供はあまり好きではない…僕の個人的な意見は聞いてないねえ。ロカは今後、どういった位置付けになるのか。ドロシーとカルアは逃亡を続けながら、エルチネを追うことになる。まーたカルアの苦労が増えたよ。