飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ボクが乙女でひとり占め! 1」感想

ボクが乙女でひとり占め! 1 (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
カワイイ、という理由だけで幽霊の胡桃に取り憑かれてしまった神楽くんは、彼女を成仏させる為になんと女子校に転入するハメに!?
巫女にして幼なじみ彼方の助力を得てなんとか転入することはできたものの、神楽くんを女子だと思い込んでくる同級生たちはおっぱいを押しつけてきたりスカートをめくろうとしたりとスキンシップをし放題。
しかし胡桃を成仏させるためには、やっぱり女の子とイチャイチャしなきゃいけなくて……。
傍目にはうらやましくてたまらない、男子垂涎シチュエーション満載のラブコメディ。
でも本当は除霊で一悶着あるんでしょう?

オーバーラップ文庫の新作を読み続けて思い始めたことがある。もしかしてオーバーラップ文庫は他所のレーベルで「その企画はちょっと…」と袖にされた物語を受け入れる場所になっているのではないだろうか。まだ赤ん坊同然のレーベルだ。「売れる」題材かはともかく、様々なアプローチを試みることは大切だと思う。

タイトルを見ただけで、どういった設定の物語か感じ取れるのは慣れのせいでしょうか?いや、普通だよね?
創刊二ヶ月目にして『男の娘』モノのライトノベルを投入ですよ。まあ人によって『男の娘』の定義が違ったりするので、『女装』モノと言った方がしっくりくる人もいるかもしれないけど。

美少女と見間違えてしまう容姿の主人公・相崎神楽。その美麗な容姿が引き起こす勘違いは人間だけでなく『幽霊』にも適応される。神楽に一目惚れした同性を愛する『幽霊』の胡桃(♀)は彼に取り憑いたものの、その後神楽の性別を知って愕然とする羽目に。しかし一度取り憑いてしまったら成仏するまで離れられない。かくして神楽は叔母が経営する女子校に転入、胡桃を成仏させるため、彼女の望みである『百合ハーレム』を作り上げることに協力することになるのだが…。

乙女よりも乙女。ヒロインよりもヒロインである神楽が女装しては、誰も気付かないのは仕方がないよね。パッと見では百合百合しい展開ではあるものの、実際中身の話をすると異性交友なので、特に変わったところがないので『男の娘』モノではあるけれど、それだけで忌避する内容ではない。

しかし『男の娘』『女装』モノの主人公が、女子高に通うことになる展開…特に入学あるいは転入までの流れは、どの作品も結構無理があるように思えるのだが、気にしてはいけないよ(笑)
様式美みたいなものだからね!(押し切る)

先ほども書いた通り、性格が性格なだけに押しの強い百合っ娘に攻められておどおどしすぎィ!どっちが男だが分からなくなるわい。そんな姿を胡桃が美味しく戴いているので、結果オーライなのか。と、いうか胡桃、おまえ可愛い女の子なら何でもいいかい。
唯一まともな考えで行動している彼方が非常良い女の子に見えるので、是非とも彼女に神楽を勝ち取って欲しいね。

展開に起伏を持たせるため、胡桃とは違う「悪霊」の存在を描いて、最後除霊させているが、バトルよりもラブコメをメインやっていった方が良かったのかなと思う。どうも最後の展開に無理矢理突入していった感じを拭えなくて違和感が。あくまでも個人的な意見だけど。もっとラブコメ面で起伏に富んだ展開を見せて欲しかったな。