飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「生徒会探偵キリカ4」感想

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
生徒数8000人の超巨大学園に秋がやってくる。
食欲の秋、読書の秋、そしてスポーツの秋!
二学期最初のビッグイベント・体育祭を控え、生徒会は臨戦態勢に入っていた。
もちろん白樹台の体育祭はただの運動会じゃない。運営権と予算枠3000万円を賭けた、体育科とのガチンコバトルだったのである!
強大な敵を前に、普段は反目しあう会長と朱鷺子さんと郁乃さんも一致団結。
キリカも莫大な予算額にいつになくやる気満々。そして僕らの前に立ちはだかる体育科のリーダーは……魔王陛下?
いつもより多めの肌色に青春の汗と涙がまぶしく光るハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、第4弾!

美園先輩、おふつくしい…(表紙イラストを見ながらうっとり)
美園先輩の暴走が遺伝だと分かった今回…あ、はい、クローズアップするところが間違えました。
体育祭。超マンモス校の体育祭が「普通」であるはずがない。孤徹が会長辞任を賭けて、圧倒的不利な「体育科VSそれ以外」の戦いに挑む!

なんという大雑把な組編成。
勝者に大規模な予算が与えられる戦いだけあって、手加減なしの戦いになるが、人数が少ないとはいえ相手はガチガチの体育会系。人数で優っても初戦は烏合の衆という訳です。実際三年連続で「体育科以外組」は負け続けている。
しかしそうなってしまうと、負け続けている方はつまらないし、勝ちすぎている体育科も盛り上がれない。そこで孤徹の持ち出した条件が、体育祭を一変させる。
最終決戦・騎馬戦の勝者が体育祭を制する。全ての競技は騎馬戦の「騎馬数」を賭けた戦いになる。

それでも体育科の優位には変わらず。しかし孤徹が地位を投げ打とうというのなら、奮起しない訳にはいかない。そんな孤徹の前に立ち塞がるのが、体育科のトップ・瑠威那。中二病全開の言動のかなり面倒な奴ではあるが、なかなかのキレ者で、ヒカゲも舌を巻くほど。それでも最後には瑠威那を落とし込む役を担うのは我等の腹黒ヒカゲさんです。追い込み、仕上げのキリカも忘れずに。

いがみ合っていた者たちが一致団結して挑んだ体育祭。けれどもこの体育祭はヒカゲの視点から見ると、キリカのための体育祭であったように思える。体育祭を楽しめないキリカを「主役」にするにはどうすればいいか考えるヒカゲ…いやいやどんだけ親バカなんですか、と。