飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「彼女がフラグをおられたら 電話ではこれ以上話せない。学園祭の詳しい話は会ってからだ」感想

彼女がフラグをおられたら 電話ではこれ以上話せない。学園祭の詳しい話は会ってからだ (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
いよいよ学園祭開幕。
颯太達1年F組の「焼きそばお化けメイド喫茶」も出だし好調の様子。
そのかたわら茜や凜達は、ここぞとばかりに颯太との学園祭デートを目論む。
結局みんなと一緒に学園祭を巡ることになる颯太
その途中で遭遇した謎の美少女は、国民的アイドル・吟遊院芹香だった!
学園祭ライブ前日にお忍びで訪れた芹香には、
実は颯太との浅からぬ因縁があって……!?
その芹香の狂熱のライブ、学園一武闘会に舞踏会、
超宝探し等々超特盛りイベントを経て、
クライマックスともいうべきクエスト寮メン総出演の
舞台「ロミオとジュリエット」が始まった。
だがその開演は波乱と謎を孕んだ大いなる転換点でもあったのだ!
大人気イチャコメ夢の学園祭後編登場!!

アニメ化の報を聞いてから思っているのが「これ…地の文が無ければ結構普通のラブコメに見えるのでは?」だったのだけど、そんなこともないかと思い直しています。王道の斜め上をいくキャラクターたちも十分頭おかしかった。

一週間にも及ぶ学園祭開始。学園祭らしいイベントが盛り沢山の中、いつも通り颯太を狙ってはバキバキとフラグを折られ、懲りずにニョキニョキとフラグを復活させるヒロインたちの健気さというか、おバカな一面を楽しめる。学園祭といえばライブ(?)ということで、新キャラのアイドル属性の芹香登場。当然のように颯太とのフラグを持つ彼女がクエスト寮に波乱をもたらす。いや、嘘ついた、特にもたらしません。

もはやキャラクター紹介がないと覚えていられない数のヒロインが投入されているが、書き分けそのものは癖のある話し方で分かるよう見せ、それに違和感を持たせないこのは凄いなあ、と思ったりする。ライトノベルとはいえ、おかしな話し方する子多すぎィ!逆に美森とかが普通すぎて無個性に思える。

前々回のフラグは何処へやら。菜波存在感が再び希薄になってきているように思えるが、ツッコミ役に徹してしまう悲しいポジションゆえか。チョロいにもほどがある他ヒロイン比べて菜波は固い。ところで気づいたのだけど「ダダ甘え」を心持ちにしている自分がいることに気づいた。

クエスト寮面々とは思えない哀愁漂うラストだったけれど、そのまま卒業することなくもう一周しても驚かない。そういう心の準備は万端ですよ。