飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「 わたしのスライムになりなさい! 」感想

わたしのスライムになりなさい! (一迅社文庫)

〈あらすじ〉
「あなたは今から私の手足……いいえ剣となり盾となるのよ!」「いや無理だろ俺スライムだし」物真似芸人のスライム――それがオンラインゲーム〈ドグラティック・マグノリア〉を始めた笠間爽司に与えられた、最弱とも言えるアバターだった。アニキと慕うプレイヤーとリアルで会うことになった爽司の前に現れたのは!? もはやログアウト不能なMMOラブコメ!

某ハンティングゲームを始め、僕がキャラクターメイクすると「筋肉ムキムキのスキンヘッド黒人」になります。脆弱な身体で生まれてしまった現実の反動ですかね。鋼の肉体が欲しい。

高校生・笠間爽司は体感型オンラインゲームのキャラクターメイクで何故か最弱の『スライム』に割り振られてしまう。それでもゲームに没頭した爽司は、男らしい強面オーガのプレイヤーを『アニキ』と慕い、冒険を楽しんでいた…オフ会をするまでは。爽司の誘いを受け、オフ会にやってきた『アニキ』はどう見ても美少女。しかもクラスメイトの織部宇宙と知り、爽司は彼女に半ば強引、学校でオンラインゲームをやるための部活作りを手伝うことになる。

ネットゲームを題材にしたラブコメです。個人的にはこの手のジャンルの場合は現実とネット、どちらに重点を置くかで内容の「軽さ=コメディ」「重さ=シリアス」が決まると思っている。この作品の場合はネットよりも現実をメインに扱っていて、シリアス要素なしのラブコメであるのならこれで問題ないように感じた。

タイトルにもある通り、ネットゲームの中での主人公の種族は『スライム』だ。雑魚中の雑魚のスライムさん。ステータスも最弱であるが、ただひとつ飛び抜けて高いのが「可愛さ」という、思わずぷにぷにしたくなる愛らしさが武器。スライムだと無条件でモテモテになる、ただしネットゲームの中に限る。キャラメイクがほぼ人外なのでモテモテになっても嬉しいのか、という問題もあるが、なんだかんだで現実でも抱きつかれたりしてるのでやはり美味しい種族。

爽司に宇宙たちの努力(?)あるいは策略によって部活の形を成して行く。つまりハーレム構築です。他の作品でもそうだけど、「ラブコメでありながら時折ヒロインたちが性的な意味合いのキツイ発言」するところが好きだったりします。ペットボトル内で女性が用を足す場合…そりゃあそうするしかないよね。いや、さっさとトイレ行けよ!

このまま「読みやすいラブコメ」として展開していくなら、ネット側の話はなるべく簡潔にした方が良い気がするけど、そうするとタイトルの意味がどんどん薄まっていくからねえ。その辺りの割合が課題…なのかな?(小首を傾げる)