飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「暗黒魔王なオレ様TUEEE!」感想

暗黒魔王なオレ様TUEEE! (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
中二病魔王降臨! ひょんなことから最強『魔王』にクラスチェンジした平凡庶民の羊飼いロキ。そんな彼が恋をしたのは“元”中二病の『勇者』アストロメリア姫だった!?  中二妄想大暴走で彼女にアタックしまくるロキだが、まじめなアストロメリアはドン引き状態。その上、ロキLOVE!の名門魔貴族のお嬢様・デビリアが現れて、「触手プレイ」で修羅場に発展ってどういうこと!? 人気作家・夏緑が贈る、オレ様TUEEE!系ラブコメ開幕!

このラノ文庫に夏緑さん参戦…だと…!?
何だかんだで「夏緑」の名前を見つけると読んでしまうこの現象は、ひとつの中毒なんじゃないかと思う(笑)夏緑さんの作品はどれも一目で「夏緑さんが書いている」と分かるから、魔王と勇者モノをどう描いて行くのか。

勇者軍と魔王軍。この二大勢力がぶつかろうとしていたその時、現れたのは…中二病にかかった残念な感じの平凡な少年。魔王ラグナロックを名乗る少年は、圧倒的な魔力をもって勇者軍と魔王軍を手玉に取ってしまう。そんな新進気鋭の魔王ラグナロックことロキが恋したのはお姫様にして、勇者であるアストロメリア。しかしアストロメリアはロキに対して釣れない態度を取る…それもそのはず、中二病発言の目立つロキの言動は、元・中二病のアストロメリアの黒歴史を開いてしまうのだか。

正直、冒頭は状況が読めず、何が起きているのか良く分からなかった。夏緑さんらしくないというか…読みにくかったなあ。ラグナロックがどういう立ち位置にいるのか、真っ先にそれを認識したかった。

「魔王と勇者」というワードを使いながらも、スケールは随分と小さく、主人公のラグナロック…ロキの猪突猛進のアホな性格もあってコミカルな内容となっている。夏緑さんらしい、といえばこの辺りの設定にあるような。ロキが恋する相手、アストロメリアも言い寄られて満更ではないものの、元々自分も中二病だったこともあり、ロキと一緒にいると古傷が開いて痛いことに。魔王と言いながらも魔王はロキだけではなく、他にも魔王が存在していて、アホなロキとは違い、実に悪役らしい。

そんな恋あり、おバカなバトルありの展開の中で、ロキは魔王気…じゃなくて、アストロメリアを惚れ惚れさせる男気を見せてくれるのか。