飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「今日からかけもち四天王! ~ネトゲの彼女はボスでした~」感想

今日からかけもち四天王! ~ネトゲの彼女はボスでした~ (電撃文庫)

〈あらすじ〉
勇者軍と魔王軍で戦争するネットゲーム「勇魔戦争オンライン」を始めた初島理央。勇者としてプレイする宇留野麻未と仲良くなった彼は、ネトゲ素人ながら勇者を守る親衛隊の一人になってしまう。
そんな中、幼馴染の早坂亜梨沙が魔王役であることを知った理央。彼は、ぼっちな亜梨沙を守るため、こっそり別キャラを作成し魔王を守る四天王の一人に。
負けたらキャラ消滅という厳しい条件でプレイする可愛い勇者&可愛い魔王を守るため、理央は一人二役で二人の決着の邪魔をすることになり……!?

だいたいポッと出の正統派ヒロインに主人公を奪われてしまう幼馴染ヒロイン。かつての栄華は地に落ち、不遇な扱いを受けるこの多い幼馴染ヒロインが優遇されているのを見るだけで嬉しくなるのは僕だけでしょうか?

主人公の理央は、好意を寄せるクラスメートの美少女・麻未に気に入られようと、彼女がハマっているらしいネットゲーム『勇魔戦争オンライン』を始める。勇者軍と魔王軍に分かれ戦争をするオンラインゲームであるが、そもそもゲーム自体ほとんどやったことのない理央は四苦八苦する。そんな理央を幸運にも助けてくれたのが、ゲーム内にたったひとりしかいない『勇者』の麻未だった。『料理人』というレアなジョブだったことから麻未の親衛隊に加入することができた理央は大喜び。魔王討伐のため必死になってレベル上げを始める。しかし次の日、転校生としてやってきた幼馴染の亜梨沙と再会したことから全てが覆ってしまう。亜梨沙もまた『勇魔戦争オンライン』のプレイヤーであり、なんと魔王だったのだ。勇者と魔王。争う関係にある二人の関係に悩む理央が取った行動。それは魔王軍側のアカウントを作り、魔王の四天王となり亜梨沙を守ることだった…。

平凡な主人公…と、呼ぶには変わった高校生の理央。お調子者で常に冗談を飛ばしている理央の雰囲気は明るく、何事にも前向きに当たって行く性格には好感をもてる。しかしまあそんな性格が招いてしまうトラブル。クラスの可愛い女の子と、再会した可愛い幼馴染。しかし二人はゲームの中では敵同士…しかもボス同士だった、ということに悩んだ理央は、どっちを選ぶことなく二股をかけことを選択するという軽蔑ものの決断をする。いや、これ理央元来の性格が見えてなかった非難轟々だと思うよ(笑)二人のヒロインが理央が好きなのがわかるだけに、余計おまえ何やってるんだよ、と言いたくなる。

勇者軍と魔王軍を行ったり来たり。何だかんだ楽しいオンラインゲーム生活を送っている理央の充実した日々。ただし客観視にはディスプレイの前で悶えているだけ。重きを置いているのは現実世界で、ゲーム内の世界はさほど具体的なものを見せていないのが、場面転換を忙しくさせず、良かったのかもしれない。二つの異なる世界を行き来しているはずなのに、どっちの世界に今いるか悩まずに済んで読みやすかった。何よりも二人のヒロインが可愛いのがね…余計なヒロインを魅せずにこの二人に集中したのも良かった。