飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「神☆降臨! ロンギヌスの槍は銃刀法にひっかかりますか?」感想

神☆降臨!  ロンギヌスの槍は銃刀法にひっかかりますか? (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
床に突き刺さる一本の槍。その名はロンギヌス。平穏な将来を望んでいた主人公・白金は突然、神さまの使いっ走りに命じられる。ロンギヌスはその手付け金(のようなもの)。理不尽な注文に加え、「貴様を鍛え上げる!」とロリ美少女・アテネまで降臨! 「モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)」シリーズの谷 春慶が贈る、理不尽系神話コメディ、爆誕! 「おい」「……なんでしょうか……ゼウス様」「エロDVD買ってこいよ!」――白金の日常は取り戻せるのか!?

こんなに「ちんこちんこ」連呼する作品はなかなかないぜ。男子小学生だってこんなに「ちんこちんこ」言わねえよ!
…と、感想の書き出しがこれだと、引かれて終わってしまいそうな感じではあるが、しかし…面白かったです。下ネタもここまでやると清々しい。

特殊な家庭環境で育ったため、平穏普通の人生を送ることを決意し、日常を過ごしていた山田白金。しかし彼の何ということもない人生の目論見は崩れ去ることになる。突如目の前に現れたひとりの偉そうな男。全知全能の神・ゼウスだという男の「パシリ」にされてしまった山田は、ゼウスに顎が使われることに。加えて「メシア体質」であることから英雄の素質を見込まれた山田のもとに、転校生としてやってきた教育係にしてロリ巨乳美少女・処女神アテネは彼に厳しく当たる。何とかこの非日常から抜け出そうとする山田の家に聖槍ロンギヌスまで持ち込まれ、山田の愛しい日常はどんどん遠のいていく。

破天荒すぎる主神ゼウスのパシリに任命された山田くん。トラブルばかり引き起こすゼウスが、山田に命じるのが「恐妻ヘラによって切り落とされ、冥界に捨てられた『ちんこ』を回収」すること。もうね、読む前から分かっていたことだけど、実際その場面にくると「いったい何を言っているんだ…!」と混乱するね。

その命令に従うのはパシリの山田だけでなく、そのお目付役でもあるアテネも一緒。しかもアテネは処女神でありながら、偶然にも山田の持っている射られると惚れてしまう矢に触れてしまったことから、山田のことを意識しまくり。徐々に淫乱になっていく清楚なアテネの求愛から逃げないといけないし、命と己のちんこを賭けてゼウスのちんこは回収しないといけないし、モテモテな山田に嫉妬するクラスメイトに殺意たっぷり追いかけられるし、と混沌とした状況になり、それが妙に笑える。正直、サブタイトルのロンギヌスは結構な放置プレイをされているが、読者もそんなこと忘れてます。最後に見せ場があるから、ロンギヌスはそれまでお預け。

前述の感想書き出しの通り、ここまで下ネタ押しでくると、一層気持ちの良いものがある。山田くんはもっとこの下ネタに身を浸して楽しんだ方が良いのではないかと思ったりもします。