飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 」感想

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! (スーパーダッシュ文庫)

〈あらすじ〉
物理法則を超える力、オリジン。最強の【星のオリジン】の使い手だった主人公・迅は、仲間だったはずのヒロイン達になぜか力を奪われた。裏切り者の少女たちに鉄槌を…、そうリベンジを誓うとき、迅はエロスの鬼と化す…!全ヒロインを倒すバトルアクション! 卑猥な手段も辞すものか!!

復讐するは我にありィ!
復讐劇。それは黒い感情から生み出される力を糧に行われる正義でも悪でもない、人の本性を剥き出しに所業…で、ある。それは間違いないのだが、この物語はそれをコミカル、時にエッチな描写を持って描く作品だった。

異能の力・オリジン。最強の力『星』のオリジンを持ち、世界の危機を救った英雄・伊原迅は、共に戦ってきた四人の少女たちに裏切られ…その力を失った。それから二年後。高校二年生になっていた迅は、神那と一緒に普通の高校に通う生活に爆発しそうな思いを抱えていた。復讐。力を奪った四人の元・仲間たちを見つけ、『星』のオリジンを取り返そうとする迅は、ついにそのひとりを探し出す。無能力者である迅と強力な力を行使するオリジンズとのリベンジバトルが始まる!

主人公。それは熱い想いを胸に抱えた正義を行う存在。それが古いイメージであることは分かっていても、復讐するためここまで悪党になるとは…許さん…許さんぞ…いいぞ、もっとやれ!

…言ってることがおかしくなってきた。かつて最強の力を持っていたが、それを四人のヒロインたちの裏切りによって失った少年が、彼女たちに復讐しようと行動を開始。とはいえ、相手はオリジンズ。普通に戦っては勝てるはずもなく、迅は英雄と呼ばれる人物とは思えない姑息な戦法を使い、ヒロインたちを追い詰めて行く。そして戦いに敗れたヒロインたちに対して行うセクハラ。なんというダークヒーローっぷり。好感なんて持ちようがない(笑)

復讐劇に付きものの暗い展開はなく、それいけの勢いで物語は転がっていく。このハイスピードな展開は読みやすかったなあ。迅ひとりでは反感を抱かさそうな場面でもツッコミ女房役の神那の和ませてくれる。しかしほんと復讐なんてせず、神那の平穏な生活を送っていた方が幸せなんじゃないかと思うのは僕だけですかね(笑)