飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「アーマード・マーメイド」感想

アーマード・マーメイド (富士見ファンタジア文庫)

アーマード・マーメイド (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
「俺の名前は汐崎旭! 世界一のマーメイドになる男だ」
【陸喰い】と呼ばれる謎の怪物の出現により、全世界の70%の土地が喰い散らかされた世界。
人類は【マーメイド】と呼ばれる戦士を育成し、陸喰いと戦いを繰り返していた。
汐崎旭は幼なじみである緋桜夕海との約束を果たすため、補欠ながらもマーメイド養成学校【白鯨学園】に入学する。
だがそこは男女比が1:9の完全女性主義な学校で、落ちこぼれの旭はいきなり退学をかけて勝負することに……!?
「H+P―ひめぱら」の風見周が贈る、新世代のバトルファンタジー、萌え×燃え全開で堂々の開幕!!

ほんとバカがつくほど真っ直ぐな主人公だったな…だけど俺、おまえみたいなバカ、嫌いじゃないぜ。

巨大化した海洋生物『陸喰い』によって世界の7割を喰われていた。人類は『陸喰い』と戦うため特殊な素質を持った者を集め『マーメイド』と呼ばれる戦士に育成している。
世界一のマーメイドを目指す少年・旭は…しかし育成学校『白鯨学園』の試験に落ちてしまう。素質なしとされた旭であったが、何とか補欠で入学を果たす。幼馴染の夕海とともにマーメイドの訓練を始めるものの、素質のない旭は劣等生のレッテルを貼られ、チームを組む優等生エリザベスに課題出される。その課題に失敗したらチームを追い出される旭は死に物狂いで訓練を重ねる。

根性。根性。また根性!
才能のなさを熱い想いでカバーする。マーメイドへの…そして大切な幼馴染を守るために、訓練に訓練を重ねる血の滲むような旭の努力を見ていると報われて欲しいと思う。
しかし同じような想いを抱える夕海にとって、旭の行動は恐ろしいものに映る。旭の突き詰める努力はあまりにも危険で命の危うさを感じるほど。才能の穴埋めのため『陸喰い』に対し無茶をする旭を否定する言葉は彼を思うゆえ。

夕海の言葉に旭は挫けそうになるものの、それでも心を奮い立たせて大切な人を守るため、大切なチームを救うため、才能ゼロを覆してみせる。お約束の展開ではあるが、それが良い。バカ熱い旭と夕海とチームメイト。この先の展開こそが本当の見せ場かな。