「新妹魔王の契約者II」感想
- 作者: 上栖綴人,大熊猫介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2013/01/31
- メディア: 文庫
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〈あらすじ〉
魔王の力を暴走させた澪を助け出し、絆を深める刃更達。
そんな澪を危険な存在と判断したのは魔族――そして勇者一族だった。
彼らは柚希に非情な指令を下し刺客を送り込む。それは刃更をよく知る者だった――
この『シリアス』と『エロ』の展開の使い分けが見事だよなあ。
命のやり取りをしていたかと思うと、流れるように濡れ場(といって良いのかどうか)に突入する。そのエロも結局は激化する戦いに対して必要不可欠な行為な訳だから。
今回敵対することになるのは、刃更の五年振りに再会した幼馴染たち。刃更同様心に傷を抱えながら、成長した幼馴染たちとの死闘。
家族を守りたい。仲間を大切にしたい。刃更のその想いが痛いほど伝わってくるが、言葉だけで戦いを終わらせることはできない。同じように苦しむ由希は、刃更・澪たちとの日常を確かに楽しんでいた。
「勇者としての使命感」
押し付けられる使命感によって、大切な想いが踏みにじられて行く。無視されて行く。刃更だけではない…澪にとっても由希は友達に違いない。だから力を求め、痴態を晒して、更なる高みを目指す。
「勇者の使命感なんかくそくらえ!」と言わんばかりの刃更の意思と戦い方には幼馴染たちを思いやる心がある。それだけに、最後は誰も深く傷付かずに終わって良かった。高志との因縁は終わってはいないが、胡桃とは分かり合えたのかな。そして由希は良いところに収まったな、と(笑)しかし澪は強力なライバルだぞ。あと万里亜は楽しい毎日を送れそうで何より。
勇者の一族側はひとまず収まったが、今回の戦い知り今度は魔族側が動き出す。ゾルギアは直接的な勇者側とは違って絡め手で攻め込んできそうだ。