飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「グランクレスト戦記 2 常闇の城主、人狼の女王」感想

グランクレスト戦記  2 常闇の城主、人狼の女王 (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
混沌がすべてを支配する大陸。ともに夢を追う騎士テオと魔法師シルーカの次なる戦いの地は、幻想詩連合の要衝・アルトゥーク。ここには遙か古の時代、極大混沌期の名残が色濃く残っていた。魔女、人狼、吸血鬼、そして古き災いの伝説――
アルトゥークの深く暗い森には、災いを呼び起こそうとする者、黒き魔女が密かに息づいていた。魔女は連綿と受け継がれる理想を成就させるため蠢き、連合と同盟の戦乱を利用する。「秩序の結晶“聖印”――これこそ、わたしの欲するもの」
テオ、シルーカに突きつけられる真実の世界。人々の選択は、秩序か、それとも混沌か。急転の一大戦記ファンタジー!

面白いなあ、この作品。ファンタジーの楽しさを心の底から思い起こさせてくれる。

今回は「戦記モノ」というよりも、ぐっとファンタジーらしさを全面に出し、魔女に人狼に吸血鬼と、人らならざる超人的な者たちの中で、テオとシールカが立ち回っていく。まあテオの場合は天然の「人たらし」なので、新たな人間関係の中で上手く立ち回ろうとしている訳ではないのだが。シールカは主君のため、奮闘としている。最初はこんな子だったけ? と思うくらい健気な子になったなあ。二人はこれからアルトゥーク伯の元で揉まれていくのだろう。いずれ道を同じくするであろうラシックたちも、テオのために日々戦っている。いや、コッチの方が寧ろ主人公らしいというね…(汗)

世界に混乱を振りまこうとする存在が明らかになる。これが明確な敵になるのだろうか。数は少ないけど、一騎当千の力を持つ敵ばかり。吸血鬼の親分ひとりで大苦戦だもんなあ。戦闘力そのものは決して高くないテオがどう生き抜くのか、成長するのか見守りたい。