飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉8」感想

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉8 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
トルバラン率いる海賊の残党によるレグニーツァ襲撃を受け、双剣の戦姫サーシャは病身を押して決死の出陣をする。普段は敵対するエリザヴェータとの共同作戦の下、消えゆく命の灯火を燃やしながら壮絶な戦いを繰り広げるサーシャの美しい姿は、見るものにある"伝説上の生物"を連想させた。一方、ティグル行方不明の報を受けて傷心を引きずるエレンは、サーシャの危機に駆けつけようと戦地へと急ぐが――。そして、静かに暗躍するヴァレンティナの企み。海賊の残党が潜んでいた海岸でエリザヴェータが出会った"ある男"とは……? 時代を揺り動かす大きな波に呼応するように、新たなる伝説が生まれていく! 大人気最強戦姫ファンタジー第8弾!

表紙はエレンだけど、今回はエリザヴェータ回でしたね。「悪役」の印象がある中で、サーシャとの共闘、ウルス…ティグルの境遇を巡る心理と、彼女に対するある種の「誤解」が溶けていく感覚は楽しかった。

前半戦の海戦。命を投げ打ってトルバランと戦うサーシャの覚悟。その覚悟を目の辺りにしたエリザヴェータと、サーシャの最期を看取ったエレン。二人は国の未来と、ティグルを賭けて争うことになるのだから運命とは残酷なことをする。とはいえ、期、ウルスに自分を重ねるエリザヴェータと失ったと思っていたティグルを是が非でも取り戻したいエレンとの対立は、期待していた通りの展開だったので、これにはニンマリと意地の悪い顔をしてしまう。ヴァレンティナさんほど意地悪くなれませんが。

本当は次回こそがエレン表紙が良かったのだけど。さて王位継承問題はどう話が膨らみ争いに繋がるのか楽しみ。