飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者9」感想

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者9 (講談社ラノベ文庫)

〈あらすじ〉
謎の『穴』で日本とつながってしまったファンタジー世界の『神聖エルダント帝国』。そこに政府によって文化交流のために創設されたオタク文化メインの交易会社〈アミュテック〉の総支配人・加納慎一。彼の父は量産型人気ラノベ作家なのだが、その作品が無期延期になったという情報が入った。元引きこもりで家族とは疎遠だった慎一だが、さすがにそのままにしてはいられず、ついに一時帰宅を決意する。日本政府の策謀を心配するエルダント側は、護衛としてミュセルとエルビアの派遣を自衛隊に同意させ、ここに晴れて初のエルダント使節の日本見学が始まった。が、思わぬ闖入者、アクシデントの連続、さらには国際的な陰謀までもが、慎一一行を待ち受ける!

アニメの方では先行してやっていた「慎一、日本に帰る」展開。ラノベ作家である父親の病気報道を聞き、ミュセルたちに背中を押されるようにして日本に帰ることになった慎一。これまでエルダント側で積み重ねてきたものがあるだけに、慎一としても読者側からしてみても、どんな展開が待ち受けているのか、気になる一冊になっている。

日本に帰るに当たって連れ行くメンバーはお約束。だがペトラルカ、キミはいろいろアウトな気がするぞ。この子にしてこの親あり、というのか。いや、本当は反対なんだけど基準が慎一なものでして。変な親父と母親に対して、ツンデレ…まともな性格の妹ちゃんが変人たちの良心としてキラリと光る。日本文化、こちら側の技術に驚くミュセルたち。が、穏やかな時間は長くは続かず、危惧していた日本政府ではなく海外工作員の連れ去られるなど、かなり恐ろしい目にあっているのですが。無事に切り抜けたと思っていたら、まだ不穏な気配が。

しかし慎一にとって「帰る場所」は日本ではなくて、エルダントになってしまっているんだね。ミュセルたちは喜ぶだろうけど、ちょっと切ない気持ちもあるのかな。