「ラストマギカの魔工契約」感想
〈あらすじ〉
若き魔工学士ヴァンは血の海に横たわる父の傍ら、弟に殺意を向けられていた。「それを渡さないなら殺すよ?」「緊急事態を感知」気がつくと目の前に少女が。彼女は父が作った知られざるマギカ≪創成≫で!?
土屋つかささんの新作は異世界ファンタジー。土屋さんのファンタジーものはこれが初なのですか。桑島黎音さんのイラスト表紙はかなり惹かれます。
人間が体内に持つ魔力を力に変換する道具マギカ。国を滅ぼすほどの力を有するアルスマギカを創り上げた父を師事する若き魔工学士ヴァンは、ある日弟ナラクが引き起こした惨劇に出くわす。世界に六つしかないアルスマギカ…しかしナラクが言うには隠された七つ目のアルスマギカが存在するらしい。七つ全てのアルスマギカを求めて父をも殺したナラクの狂気がヴァンに迫ったその時、突如現れた七つ目のアルスマギカによって救われるのだが……。
道具マギカを媒介に魔法を行使することのできる世界を舞台にしたファンタジー。サクッと読み切りました。正直、説明と心理描写等が足りていないのか、物足りない印象を受けました。主人公のヴァンは熱血漢の良い奴で結構好きだっただけに、勿体無い気もします。
父を殺した弟との因縁。その決着までが非常に早かったと思います。それが主に物足りなかった要因なのではないか、と。もっとボリュームのある…丁寧な作りにすれば魅力的な異世界ファンタジー演出できたと思えるだけに残念です。