飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ユート 拉致から始まる異世界軍師」感想

ユート 拉致から始まる異世界軍師 (このライトノベルがすごい! 文庫)

〈あらすじ〉
 秋山優人は、ごく平凡な中学生男子。人と変わっていることといえば、毎晩のように生々しくも鮮やかな冒険の夢を見ることくらい。そんなある日、優人は夢の中に出てきた変な男に誘われて、本当に異世界に召喚されてしまう。突然降りかかってきたリアルな冒険に大喜びする優人。しかし召喚された理由が「地球に侵攻するにあたって情報を聞き出すため」だと知って……。吉野匠が贈る異世界ファンタジー、ここに開幕!

よし!いつでも異世界に召喚される準備はできているぞ!…と、思い続けて10年近く。なかなか美少女召喚士からお呼びがかかりませんね。早く異世界に召喚されてご都合主義的に最強の異能を手に入れて無双しその世界を救いたいです。(無茶苦茶)

さて内容の方に。この『ユート』という作品。コテコテの異世界召喚ファンタジーである。主人公のユートは多くの中学生が望んでいる日常の変化…「異世界に召喚されたい!」と願う少年であり、ついに夢叶ってファンタジー世界に召喚される。しかし想像していた「世界を救う」展開が、ユートの世界に侵略する、というとんでもないことに繋がってしまい、ユートはそれを回避すべき奮闘する中で、国を揺るがす事態に陥って行く。

展開詰め込みすぎかな、と思う中で一番勿体無いのは「異世界ファンタジーの一国がユートのいる世界に侵略戦争を仕掛ける」と言い出すのは最初だけで、この設定をそのまま上手く活かせなかったこと。随分と小さい物語展開で終わってしまったのが残念。また主人公のユート自身の行動に納得の行くものがなかったのも不満ではある。