飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「俺が生きる意味 5 都心楼のディザイア」感想

俺が生きる意味 5 都心楼のディザイア (ガガガ文庫)

〈あらすじ〉
水族館の惨劇から、二か月。櫛灘学園に編入した斗和は、そこで従姉のかりも、さらには神悠言の少女たちと出会う。そして幼いころによく遊んだ瞬夏と偶然百貨店で再会。しかし、その再会は不条理の呼び水だったのかもしれない。一人前になりたいと願う神悠言の少女、霜月。斗和に憧れるアイドル、瞬夏。そして、力を欲する斗和。いくつもの願望と思惑が渦巻き、崩壊のアルペジオを奏でる。過去最大数の人喰いの化け物が跋扈する絶望のなか、あの少女の面影を持つ魂を狩る幻想生物が姿を現す。「──貫き届く刃の意志、発動」

斗和さんには一体どれだけの数の幼馴染がいらっしゃるんですかね? 絶対に許さない…と、思っていたのだけど…あれです、今回の表紙詐欺は酷い。(褒め言葉)

これまで上下巻でひとつの物語になっていたが、今回はこれ一冊という優しい設計。ええ、途中で物語を止められる苦しみはなるべき味わいたくないものです。特に楽しくし仕方のない物語は…(にっこり)

学校、水族館、そして百貨店。パニックホラーのお約束ステージ。

生きて生きて、仲間を救い出すために生き続けようとする斗和。生きるための力を手に入れようと努力する主人公を嘲笑うかのように、不条理なカタチで新たに得た仲間たちの命が目の前で刈り取られていく。これまでと違い、異能力者を積極的に集めて協力しようとするが、斗和だけの想いだけで人の心は結び付かず、歯痒い想いをする。本来、頼りがいになる異能力が更なる惨劇を呼び込むパターンにもなっているので、敵は幻想生物だけではない。

単純な敵味方の構図ではなく、混沌とした関係に正直混乱しました。異能力のカテゴリーは表が欲しいくらいですね。(我儘)
今回のヒロインはまさかまさかの霜月で、これは物語前半では想像しなかったな。かりもにしても摩響にしても、存在感はあるものの事件に巻き込まれていないから今回ヒロインにはならなかった。瞬夏?…あれは残念な娘だった…(遠い目)

まあ霜月ヒロインも、最後の最後で寧々音に掻っ攫われていた気がする。昏睡状態から引き戻す手段を得たけれど、敵はどんどん強くなっていく中で、斗和はどう対処するのだろうか…いや、斗和さん結構チートだと思うので何とかなっちゃいそうだが。これが主人公補正。終盤、山田が主人公なのかと錯覚するほど目立ってたので、そろそろ斗和さんにぶん殴られて欲しいなあ…あと何だかんだで斗和さんは山田のこと好きだな。(笑)