「ドウルマスターズ (1) 」感想
〈あらすじ〉
――『ドウル』。
それは、パイロットの『超能力』を拡張させ、物理的な戦闘力へと変換する人型機動兵器である。新米ドウルマスター・早乙女蒼生は地球の貧しい都市機構『オートン』に所属し、姉の朱理と共に横浜ポリス軍と交戦していた。強力な敵機体から最期の一撃を喰らいかけたその時、蒼生の類い希なるサイキック能力が覚醒、『エクサー』として目覚める。それを契機に、ドウルの最強最新鋭部隊『ソフィア』へ入隊を果たした蒼生は、宇宙(そら)へと向かう。そこでは、純白の専用機『ミスティムーン』を駆るエリートドウルマスター・玲音との運命の出会いが待っていた――。
壮大な近未来宇宙を舞台に、少年と少女の『世界』を賭けた闘いが、今始まる。
アニメ放送中の『魔法科高校の劣等生』の佐島勤さんの放つ新作。第16回電撃小説大賞に応募して落選した作品が原型らしいです。刊行数の多い劣等生を追いかけるのはツライ…という人に佐島ワールドを知って貰うには良い作品かな。
西暦2417年。
無数の都市国家に分裂し、資源争奪戦争を経て、『ポリス』と呼ばれる閉鎖都市が生まれ、各地の『ポリス』を管理する『太陽系連盟』…そして思念の力によって活動する人型起動兵器『タイタニック・ドオル』の武力が世界を統べる世界。ドオルの新米パイロット…ドオルマスターの早乙女蒼生は、『ポリス』に住むことを許されない貧しい人々が住む街『オートン』を『ポリス』が繰り出した軍のドオルから守るため、姉の朱理と共に出撃。圧倒的多数のドオルの前に屈しようとしたその時、思念の力を超える超能力…サイキック能力に目覚めた蒼生の力で窮地を逃れる。『エクサー』として覚醒した蒼生は『太陽系連盟』の超エリート部隊『ソフィア』にスカウトされ、宇宙に浮かぶ特殊な学校に入学することになる。
これは『魔法科高校の劣等生』よりも読みやすい…と思って読み始めたら、特にそんなこともなくガッツリ説明文が並んでいました。でも不思議なことに劣等生よりも説明文が読めるんですよね…たぶん、劣等生と違って魔法という存在をイチから知らないといけないのに対して、こちらはある程度知っている現象が盛り込まれているからなのかもしれない。それでもSFは馴染みのあるものではないので、読みにくいことには変わりないのだけど。
貧しい街で暮らしていた凡庸なドオルマスターだったはずの蒼生が、死に瀕したことで得た才能を見込まれ一転、超エリートコースの道に進むことになる。親愛なる姉にして腕利きのドウルマスターである朱理と一緒に太陽系連盟軍属学校に入学した蒼生と朱理は、エリート・ドウルマスターの玲音と出会い、テロリストであることを隠し入学した闘争心溢れる龍一と交流を持つことになる…前の話。いや、これは長い話になるよ。とりあえず1巻は世界観とドオルとドウルマスターについてをバトルシーンとやたら長い説明文を駆使して(?)て読者に伝えようとします。うん、読むのも時間かかる。そして読み飛ばすと直ぐに訳が分からなくなるから困る。気になるキャラクターたち…特に朱理がいるので次の巻もどんなものか読んでみたい。
「ロボットモノは売れにくい」とは言うけれど、視覚化すると見栄えがすると思うのでアニメになってくれると非常に見やすくなる物語だと思います。横着するな?…やだなーそんなことないですよーハハハ!(乾いた笑い)