飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士」感想

世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
伝説の英勇(えいゆう)エルラインが遺した、世界の終焉(おわり)と再来とを記した至宝「世界録(アンコール)」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める世界録大争奪時代――騎士志望の少年レンは、彼(か)の英勇(エルライン)生き写しの容姿ながら剣才に恵まれず「偽英勇」とバカにされる日々を送っていた。そんな彼の前に現れた、封印より目覚めし伝説の竜姫キリシェ。レンをエルライン本人と勘違いし、外見だけだと失望したキリシェだったが、一方でレンの中に秘めた可能性を見出すことに。そして、かつて英勇と共に世界を救った大天使フィアや先代魔王エリーゼとの世界録をめぐる旅へと少年を誘う。「わたしと、行くか?」――これは、英雄たちが奏でる狂騒への序曲(プレリュード)。今、偽英勇の少年と伝説が邂逅する!

細音さんの作品って結構な冊数持ってるんだけど、1巻だけ読んで続きを積んでしまうの何とかしたい。文体が好きな作家さんなんだけどなあ。刊行ペースが早くて追いついて行けないのが…反省してます。

英勇エルラインと天使・悪魔・竜という三人の異色の仲間たちが世界を救った。伝説となったエルラインは世界を救う旅をしている際の出来事を綴った『世界録〈アンコール〉」を残すのだった…それから三百年後、『世界録』を手にした者は二人の英勇とすると宣言され、『世界録』を目指す冒険者が旅を続ける世界。エルラインにそっくりの容姿をしながら落ちこぼれの騎士であるレン。そんなレンはかつてエルラインと旅をしていた三人の仲間たちと出会ったことからその運命を大きく変えていく。

努力家ではあるものの、落ちこぼれのレッテルを貼られ、「偽英勇」と蔑みを受けるレンが天使のフィア、竜姫キリシェに認められるまでの流れがとても早足だったように感じられてなかなか物語に没入できなかった。序盤だけでなく、全体を通してもバタバタと物語が進んでいくので、「なぜレンが認められたのか?」という疑問に答えが出るのが終盤のバトルなのがどうもなあ…こういうあっさりしたストーリーが好きな人は多いとは思うけど、どうしても物語からキャラクターへの「納得」が得られないのが最後まで腑に落ちないのが受け入れられないポイントだったかなあ。