飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ゆとりノベライズ (1) 」感想

ゆとりノベライズ (1) (まんがタイムコミックス)

〈あらすじ〉
都ゆとりは新人ライトノベル作家。念願であった作家にはなれたけど、デビュー作は2冊で打ち切りに。そんなおり、声をかけてくれた事がきっかけで、憧れのベストセラー作家・里美嵐と行動を共にして……?
二人の女性作家の視点でライトノベル業界の今を描く意欲作!

「ライトノベル作家」を題材にしたラノベをここ最近目にすることが多く、ラノベ=作品だけでなく業界そのものに興味のある者としては吸い込まれるように手に取ってレジに運んで家に持って帰って読んでしまう訳ですよ。それと僕がラノベを読み始めてから数年は読んでいる人も周りにおらず、マイノリティな趣味だったから「ライトノベル作家」がこうしてマンガの題材になるまでに認知されて嬉しい気持ちもある。

売れる作家がいれば、売れない作家もいる。都ゆとりはデビュー作がわずか二冊で打ち切られてしまった新人ライトノベル作家。新作の企画に悩み意気消沈するゆとりを励ますのは、何故か彼女のことを気に入り、暇さえあれば遊びに誘う人気ライトノベル作家の里見嵐。立場の違う二人の作家の「日常」を描く四コマ作品。

実在するラノベ作家をモデルにしているマンガ……ハッ!この作品の主役級のラノベ作家は全て女性、つまり赤松中学先生と森田季節先生は美女&美少女だったのかー!(棒読み)
女性ラノベ作家、と聞いただけで作品を読みたくなる思春期ボーイは僕だけではないはず。

アホなこと言うのはこのくらいにして、さて作品のお話。
僕たちに素晴らしい物語を与えてくれるライトノベル作家。一昔前はこれといった接点もなく、雲の上の存在だったラノベ作家だけど、今はTwitterなどのSNSを通じて「作家もまた人間」であると知ることができるようになった。少なくとも僕はそう感じている。ラノベ作家が何を想い、何を感じながら日々を過ごしているのか……いや、そんな重い描写はなく、可愛い女の子&美女ラノベ作家のお仕事っぷり(遊びっぷり)をニヤニヤしながら見守るのがこの作品の正しい楽しみ方だと思う。(変態)

と、気味の悪い笑みを浮かべながら読みながらも、ラノベを愛する者は話題にしたくなるモノが作中に幾つも登場して色々考えてしまう。

例えばラノベの「打ち切り」だ。主人公の都ゆとりはデビューしたもののその作品はたった二巻で打ち切り終了。打ち切られた作家、その作品に携わった方々は勿論のこと、読者もまたガックリと肩を落とすことになる。本当に誰も幸せにならないよね。なんで打ち切りなんてあるんだろ……(遠い目)全て資本主義社会が悪い。(目のハイライトなし)

例えばラノベ作家と読者(=ファン)を結ぶインターネット。上に書いた通り、今はラノベ作家と読者の距離が非常に近い。ブログやSNSを使って宣伝や読者と直にコミュニケーションと取ることができ、色々な情報を吸収できる便利な面もあるが、一方間違えればネットの向こう側にいる読者全員を敵に回してしまう危険性があるかもしれない。

例えばラノベ作家が初めてイラストが付いた時の感情。自分の書いた物語の世界観やキャラクターがイラスト化されるのは本当に嬉しいだろうなあ。それだけで気合いが入って頑張れそうだ。

ラノベが好きならそういったことも考えながら読めて楽しい……いや、どんだけラノベ好きなんだよ、と。ラノベをそんなに読んだことない人はラノベ作家の日常を知って、これを機会にラノベを読んで頂けるとラノベを愛する者としては最高に嬉しい。(沼の向こう側から手招き)