飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「王子二人―アルスラーン戦記〈2〉」感想

王子二人―アルスラーン戦記〈2〉 (光文社文庫)

〈あらすじ〉
辛くも死地を脱出したアルスラーン王子ら一行は、味方の兵力が集結する国境城塞へと向かう。追っ手をかわすため三組にわかれた彼らに、ルシタニア軍、そして銀仮面の男とその配下が襲いかかる。過酷な逃避行の先に待つ運命は? さらに、パルス王国の存立を揺るがしかねない王家の血の秘密が明かされようとする……。超絶スペクタクル・ロマン第二弾!

これが四半世紀以上の作品とは驚きですよ、ということで、『アルスラーン戦記』2巻の感想です。

300ページに届かない厚さなのに、今回も濃い内容でストーリーが進む進む。アルスラーン側だけでなく、ルシタニア側……復讐に燃える銀仮面のヒルメス、ルシタニアのため己の野心のため奮闘するギスカール、狂信者であるボダンなど、魅力的な「敵」の思惑も描かれていて楽しい。特にボダンの下衆っぷり、この描き方は絶賛しないといけない。本気で嫌悪感を抱く、誰でもいいからこいつをボッコボコにして欲しい。イノケンティス七世?知らない子ですね。

今回、個人的面白いと思った展開はナルサスと新ヒロインのアルフリード。ゾット族の族長がヒルメスに殺されて、アルフリードが声を上げた瞬間、「あっ、この娘、仲間になるな」と察し、ついで「あっ、この娘、ナルサスに助けられるな」と分かり、「あっ、この娘、ナルサスに恋するな」と理解するまで一瞬だったこと。お約束って素晴らしいですよね、最初の言葉に戻りけど、これが四半世紀以上前の作品とは思えないわ。(笑)

さて王子二人。アルスラーンになくて、ヒルメスにはあるもの。その真相はいかに……。