飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「転生魔王の異世界スローライフ おいでよ魔王村!」感想

転生魔王の異世界スローライフ おいでよ魔王村! (MF文庫J)

〈あらすじ〉
車に轢かれそうなコモドオオトカゲを助けようとして死んでしまった心優しき少年サタンは、女神のきまぐれで異世界に転生を果たす。しかし、転生する際にそのトカゲと合体してしまい、女神に「魔王」と勘違いされて魔界に飛ばされる。さらにサタンは先代魔王四天王のルッカの思い込みにより、本物の魔王にされてしまった!? 本当は心優しき少年であるサタンは、魔族と人間たちが争う異世界を平和にするために、ふたつの種族が仲良く暮らす魔王村を作ることを決意して――
見た目は魔王! 心は天使! 世界平和を目指す魔王とその仲間たちによるハートフル村おこしコメディ! 勘違いから始まる異世界スローライフ、ここに開拓!

HJ文庫、富士見ファンタジア文庫、そしてMF文庫Jと活躍の場を広げるなめこ印先生の新作です。なまこ印先生ではありませんのでお気をつけを。誰もそんなこと聞いてなかった。

厳つい顔の巨漢。その恐ろしい容貌のせいで人が寄り付かず友達もいないサタンは、実は心やさしき男子高校生。ある日、車からコモドオオトカゲを助けようと道路に飛び出し轢かれて死んでしまう。気づくとサタンの前にひとりの女神が立ち、サタンを異世界の勇者にするため転生させるという。勇者になることを承諾したサタンであったが、一緒に死んだコモドオオトカゲの魂が混ざったことでトカゲ男として再生されてしまう。それに驚いた女神はサタンを勝手に魔王認定して魔界に飛ばしてしまうのだった。魔王となったサタンは、魔族と人間が共存する方法を模索、平和をもたらすためマオー村を作るのだが……。

なにこの読みやすさ。サックサク読んでいけてツッコミどころはあるけれど面白かった。
主人公のサタン。本当にいい奴です。魔族と人間が仲良く暮らせる村を作ることを目標に掲げ、サタンの心意気に触れた人を次々しもべにしていきます。サタン本人は上下関係など望んでいないのに勝手に相手が平伏していく感じ好き。勘違い爆発させてサタンに従う美少女エルフちゃん、アホ健気で好き。

基本的にはコミカルに物語は進行。魔族の便利な魔法を使い、荒れ果てていた村を再生させていく。徐々に、ある時は劇的に村は発展していくのです。そして勇者も登場。おバカな女神によって仕立て上げられた「勇者=普通の村娘」に世界の命運託すってどんだけなんすか……魔王サタンを恐れる勇者。だけど心優しいサタンとの交流となるシーンが物語の終盤に用意され、王道パターンで締めてくれます。

それともっと女神はボッコボコにしてもいいと思います。はい。