飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「漂流王国 難民勇者と目指すトップアイドル」感想

漂流王国 難民勇者と目指すトップアイドル (角川スニーカー文庫)

〈あらすじ〉
日本の十六門市は、滅亡寸前の異世界から転移してきた漂流王国メヘンと融合した。それから九年、現代とファンタジーが混ざる不思議な街で、高校生の鵐目翌はメヘンの巫女王から新時代の英雄を育てろと命じられる。でもここは平和な現代日本、冒険も危険も何もない!そんな時、翌が思いついたのは、メヘンの勇者リーンやエルフのレレレリカたちを、アイドルグループ“レフュジー・キングダム”で英雄にすることだった!?

Twitterにてちょこちょこ目にしたタイトルだったので気になり購入。一部熱狂的なファンのいる作家さんと気づいたのは注文してからでした。

9年前。日本の十六門市は、異世界から転移してきた漂流王国メヘンと融合。それからは人間以外にもエルフやドワーフといった亜人種の住む奇妙な都市となる。高校生の翌は妹の朝霞とともに十六門市を訪れるも、突如落ちてきたドラゴンに襲われ、翌は致命的な傷を負ってしまう。瀕死の翌の命を繋ぎとめたのはメヘンの巫女王であるシータの力だった。そのことがキッカケとなり、シータの頼みを聞き、翌は未熟な勇者リーンの育成を手助けすることになるのだが……。

タイトルの「漂流王国」はとても刺さり、世界観もかなり好きな設定。しかしタイトルは気に入ったのにサブタイトル、帯、あらすじは一切読んでいなかったため、さて、どういう展開に持っていくのか、期待しながら読んでいたので「翌の勇者=英雄の育て方」に「お、おう!」となってしまいました。(笑)

勇者を育てようにもここは現代日本。滅亡しかけて逃げてきた元の世界のような危機はない。じゃあ危機がないなら起こせばいいじゃない……例えば日本を相手に、という無茶苦茶な考えを持つ勢力を騙させるため、勇者の育成は急務。巫女王と勇者は運命共同体、民の勇者への信頼は巫女王の力の安定に繋がることから、どうやってみんなに勇者を認めて貰おうか。と、いうので閃いちゃった翌くん。プロデューサーさん、アイドルですよ、アイドル!

漂流王国メヘン初のアイドルユニット結成。歌って踊ってみんなを虜にすればいいじゃない。あ、ちなみに勇者リーンはボーイッシュな美少女なのでした。それまで出会ったエルフ(美少女)やドワーフ(美少女)、妹(美少女)を動員して、アイドル活動開始よ!……までの流れが結構長かった!もう少しサクサク展開していっても良かった気がする。

単にアイドルユニット組んでファンをつけて人々の信頼を勝ち得る……というだけの展開では面白くないので、そこは面白い要素をくっ付けます。最初のイベントで発生したゾンビ事件。ゾンビを引きつけるために歌って踊ったことで完全にイロモノ扱いです。いろんな意味で信頼を得た気はするけど。(笑) なるほど、今後もイロモノのアイドルたちがイロモノのモンスターやらの前でアイドル活動の勤しむのですね!

あと十六門市の市長こと翌ママの朝霞に対する態度が面白すぎて笑ってしまった。もっとクローズアップしてもいい。