飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実」感想に変えて

ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
虚無の復活の阻止を目論む『鉄血団結党』の追跡を逃れ、間一髪“竜の巣"を脱出した才人たち。アリィー、ルクシャナと共に一路ハルケギニアを目指す船の中、負傷したティファニアの手を握る才人の胸には、最後の使い魔“リーヴスラシル"のルーンが浮かんでいた……。「なんなんだよ。これ、そんなにヤバイもんなのか……?」一方、『オストラント』号で二人の救出に向かったルイズたちは、エルフの国の首都“アディール"へと乗り込んだ……。互いを想い、すれ違い続けてきた才人とルイズが、長き時を経てついに再会を果たす! 「サイト、あんたのご主人様が、迎えにきてあげたわよ! 」 無敵のドラマティックラブコメ、いまここに再始動!

『ゼロの使い魔』20巻が発売されたのは2011年2月……このブログが開設されるよりも前です。それだけの時が経ちました。

感想は書きません。ただ僕と『ゼロの使い魔』との出会いのお話をさせていただきます。

僕が初めてMF文庫Jの作品に触れたのはたぶん18歳くらいだったと思います。大学生になり、神奈川方面で一人暮らしをしていた僕が下宿先最寄り駅前の書店にふらっと入りました。

当時のMF文庫Jは角川グループの一角ではなく、書店のラノベコーナーの話にひっそりと置かれていた目立たないレーベルでした。ただ鮮やかな緑色のカバーに惹かれて、僕が手に取ったのは『神様家族』という作品。後にアニメ化もされた作品です。とても面白かった。

MF文庫J=アニメのノベライズ作品を出版しているレーベルだと思っていたので、オリジナル作品が出ていたことに驚いた記憶があります。大学生で時間だけはあった僕は電撃文庫などの有名作品に手を伸ばし尽くしていたこともあって、『神様家族』に続いて『風水学園』など続けていくつかシリーズを読みました。

その中に『ゼロの使い魔』が……なかったんです。2年近くが経ち、新人賞もなるべく買って目を通すくらいに緑色のレーベルが好きになっていました。学年が上がり、大学のキャンパスが移って実家から十分に通える距離に。実家に戻って近くの書店でアルバイトを始めて、ラノベコーナーを担当するようになった頃。我が家を建て直す計画が。

古くなった家を建て替えるということであれよあれよという内に家族全員で仮住いの貸家に移動。愛するラノベたちはダンボールに閉じ込められ、他の荷物に埋もれて簡単には取り出せない状況になってしまいました。

ムズムズと。そう、ムズムズしたんです。面白いラノベを一気に読みたい。でも持っているラノベたちは今とても取り出せない……。

なら買えば良いじゃない!

選ぶならやはり大好きな緑色のレーベルから。シリーズ巻数をある程度出ているのが良い、ということで手を出したのが5巻ほど出ていた『ゼロの使い魔』です。わざわざ言うことではありませんが、とても、とても面白くて、複数回読み直しました。大好物のファンタジー世界と、男の子の心をくすぐるちょっとエッチな展開もある。もう最高です。

『ゼロの使い魔』を大変気に入った僕はシリーズをラノベコーナーの目立つ場所に平積みしました。それに引っかかって買ってくださる方を見つけるとまるで同士を得たかのように嬉しくもなりました。

そしてアニメ化。今までが嘘のように飛ぶように『ゼロの使い魔』は売れて、アニメ化の宣伝力に驚愕したものです。何よりも『ゼロの使い魔』が面白かったことが売り上げに繋がっていたのだと思います。

こうしてMF文庫Jというレーベルはメジャーになっていきました。今のMF文庫Jの知名度は『ゼロの使い魔』が作り上げたと僕は考えています。

『ゼロの使い魔』と再会できて僕は本当に嬉しい。亡きヤマグチノボル先生に変わって筆を取ってくださった方は、この人気ある……これだけ多くの読者に愛された作品を終わらせることに、言葉では言い表せないプレッシャーがあったのではないかと思います。

ここまで書き上げていただき、本当にありがとうございます。

あと一冊、僕たちに『ゼロの使い魔』を見せてください。よろしく……お願いいたします。