「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 10」感想
〈あらすじ〉
帝国から亡命を図るアルデラ教徒に、捕虜収容所から脱走したエルルファイ少将をはじめとするキオカ海軍が加わることで、一気に力を増す敵を目の前に、出征しきていた女帝シャミーユは安全のために東へと移動する。一方、〈不眠の輝将〉ことジャン率いるキオカ陸軍&アルデラ神軍に東から追撃されて、マシュー少佐らは西に向かって撤退していた。やがてシャミーユとマシューたちは合流する。しかしそれは、彼らが東西から敵に挟まれることを意味していた。シャミーユ、トルウェイ、マシューたちカトヴァーナ軍が陣取ったのは、垂直を越える角度で切り立つ峻険な崖が南北に数キロにもわたって続いている卓状台地の上。地形を利用して、なんとかキオカ軍の攻撃を防ごうとするのだが、ジャンの意外な策略によって、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。もはやこれまで……と思ったとき、そこに現れたのは――!
胸の熱くなる展開に涙する第10巻!
あらすじに「胸の熱くなる展開」と書いてあって違和感果てしなかったのだけど、いや、内容はまさにその通りで正直すまんかったです。(誰に謝っているのだろう僕は……)
ジャン率いるキオカ軍にアルデラ教徒たち、さらにはハロの暗躍によって追い込まれる帝国軍ですが……予想通り、ここで登場しなければいつ再登場できるのってタイミングで颯爽と現れるイクタさんでありました。それまでイケイケだったジャンがイクタが出てきた途端、ボッコボコにされて、ジャンは本当に天才軍師なのか疑ってしまうレベル。一回くらいイクタを撃退して欲しい感じはする。
ハロ=パトレンシーナの存在。イクタの言う通り「ハロは良い子で手がかからない」と思い込んでいたし、これまで周りがあまりにも忙しなかったからハロという人を蔑ろにしていた、というよりも「後回し」にしてきたツケをここで支払ったような感覚がする。パトレンシーナのスパイ活動で人は死んだけど、まあこれは許す許さないの問題ではないからなあ。そういう話になってくると、イクタが無責任に廃人化してた時にだって人は死んでいる。突き詰めるともう霧がないよねえ。これまである意味では別格だったハロがついにみんなと並んだ。(好感度的な意味合いで)(好感度が上がったという意味では勿論ない)
前回までの鬱々展開が嘘のように次回はワクワクするような引きを。『アナライの弟子』ヨルガとヴァッキェ……どうやらヴァッキェは相当癖がありそうだけど、どうなることやら。