飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXII」感想

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXII (電撃文庫)

〈あらすじ〉
カトヴァーナ帝国、キオカ共和国、そしてラ・サイア・アルデラミンによる三国会談が、いよいよ開幕した。キオカの執政官アリオ・キャクレイや、ラ・サイア・アルデラミンのイェナーシィ・ラプテスマ教皇といった一筋縄ではいかない面々に、一見場違いとも思える科学者アナライ・カーンが加わることで、会談は思わぬ方向へと転がっていく。その中で、宿敵同士のイクタとジャンは、まるで子供のように純粋に自らの意見をぶつけあい、激しく火花を散らすのだった―。これまで語られることのなかった世界の謎が、ついに明らかになる衝撃の12巻!!

表紙のイクタとジャン、そしてその中心にニヤリ顔で立つアナライ・カーンという構図。グッとくるものがある。ある意味ではアナライの手のひらの上のような……物語の根幹をなす衝撃の事実が明らかになる本作でも、二人の天才の運命が交錯する。

本来であればただ敵として激突するだけで終わっていたイクタとジャンがこういったカタチで交流をすることになる。好敵手だからこそ、対等だからこそ分かり合えることがある。深い繋がりを持ちながらも、最終的には「立場」が相容れない両者……正直、ジャンという人間を知ってしまったことで単なる敵として討つのが辛くなる。

そしてこの世界の成り立ち。えっと、まさか現代この世界と関わりがあったとはー!(棒) SF要素、と言っていいのかな。それがぶっ込まれることにちょっと戸惑いはしたけれど。この作家さんの作品はこれが初だったので、もしかして他の作品も似た感じの部分がある?