飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ」感想

灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
何度おなじ過ちを犯せば……おれたちは……。
ジャンボという名のオーク率いるフォルガンとの戦いが混迷を極める最中、ハルヒロたちはかつてない危機を迎えていた。ランタのフォルガンへの寝返り。そして、一人また一人と散り散りになっていく過酷な撤退戦。パーティのみんなの安否がわからないまま、ハルヒロたちは自分たちにとってパーティの仲間が、どんな存在だったかを再認識していく。失いそうになってはじめて知るそれを、ハルヒロたちは本当に失ってしまうのか、それとも――。
霧深き千の峡谷(サウザンバレー)で、“孤独”という敵と相まみえる時、灰の中から生まれし冒険譚は新たな一幕を紡ぎはじめる。

ランタがいなくなった。それがショックなのが、意外といえば意外な感情ではあるけれど。人には情がある。繋がりを求めたいという想いがある。傷ついて、亡くして、ここまで歩んできた彼等は……家族同然の間柄になっていた。

まああれだけの時間を共有していれば、そうだろう。特に今回のように仲間がバラバラになっていれば、余計にその感情が込み上げてくる。苦難の連続の中で、しかし挫けることだけは亡くした仲間のためにもあってはなず、進み続けていくハルヒロたちの姿は眩しい。いや、本当に辛い時間が続くねえ。