「妹さえいればいい。 10」感想
〈あらすじ〉
妹がいる生活、はじめました。
ついに千尋の抱えていた大きな秘密が、伊月たちの知るところとなってしまった。千尋から事情を聞かされ、表向きはそれを喜んで受け容れた伊月は、これまでどおり那由多とイチャイチャしたり、千尋を可愛がったりして、妹がいる生活を満喫する。『妹すべ』のアニメも好評を博し、招待された台湾のイベントでちやほやされるなど、売れっ子作家としても満たされた日々を送る伊月だったが……? 一方、重荷から解放された千尋にも、新たな物語が始まろうとしていた――。大人気青春ラブコメ群像劇、運命の第10弾登場!!
お盆休みが終わろうとしている今日この頃。社会人の皆さまは息してますか? 学生諸君は時間の許す限り好きなことをしてください。僕はラノベばかり読んでました。今は分からないでしょうが、それはとても大切な時間なのです。
「兄弟」としての時間を終え、「兄妹」となった伊月と千尋。この長い時間明かされなかった真実があっさりとオープンになり、それを受け入れた伊月の姿が、むしろ恐ろしいというか。妹になれて吹っ切れた千尋は良い感じで明るくなり可愛いのだけどね……。
妹の存在がどんな作用を起こすのか。それが恋愛面ではなく、情熱……作品を描く熱量に歪みが生じた、というのか、正されたというのか。伊月らしさを失い、創作に向き合えなくなってしまうのは、ある種、恋愛面を揺るがされるよりも怖い。や、このまま仕事ができないと恋愛面に影響してくるのか。表向き、那由多と上手くいっているように見えるだけにこの爆弾はおっかないねえ。