飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「探偵はもう、死んでいる。」感想

探偵はもう、死んでいる。 (MF文庫J)

〈あらすじ〉
高校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。「君、私の助手になってよ」―始まりは四年前、地上一万メートルの空の上。ハイジャックされた飛行機の中で、俺は天使のような探偵・シエスタの助手に選ばれた。それから―「いい?助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」俺たちは三年にもわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げ―そして、死に別れた。一人生き残った俺は、日常という名のぬるま湯に浸っている。…それでいいのかって?いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。だってそうだろ?探偵はもう、死んでいる。第15回MF文庫Jライトノベル新人賞“最優秀賞”受賞作。

「名探偵」ってファンタジーな存在だよね。普通、刑事事件に首を突っ込める探偵なんていないから。ところで某見た目は子供、頭脳は大人な名探偵さんはもう一回高校生になれる以上の年月を過ごしているように思えますが……ファンタジーではなくミステリーですねえ。

キャッチャーなタイトル。スタート時点で「名探偵」は死んでいて、いわゆるワトソンくん=助手だった主人公が難(?)事件に挑む。本格ミステリーではなく、コミカル要素満載のゆるい感じのお話です。なので推理するとかそういうことはほぼほぼありません。

そういう意味でタイトルに騙されると辛いものがあるけど、このコミカルさを受け入れればキャラ同士の会話回し・会話のテンポを楽しめると思う。この作品、面白おかしい会話を楽しめるかどうかにかかっている。一旦、冷めた感じで読んでしまうとちとキツいかも。

死んだ探偵をどう登場させるか、結構ベタではあるけど、その設定はわりかし好きです。