飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「スパイ教室01 《花園》のリリィ」感想

スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
陽炎パレス・共同生活のルール。一つ、七人で協力して生活すること。一つ、外出時は本気で遊ぶこと。一つ、あらゆる手段でもって僕を倒すこと。―各国がスパイによる、影の戦争を繰り広げる世界。任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、死亡率九割を超える“不可能任務”専門機関―灯―を創設する。しかし、選出されたメンバーは実践経験のない七人の少女たち。毒殺、トラップ、色仕掛け―任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、クラウスに騙し合いで打ち勝つことだった!?一対七のスパイ心理戦!第32回ファンタジア大賞“大賞”作の痛快スパイファンタジー!!

スパイと聞くとまず思い浮かべるのは「007」ですよねー。特にニンテンドー64から発売された「ゴールデンアイ」の対戦モードは中学時代、友達とやり込みました。ただロケットランチャー、黄金銃あり設定だとポップしてくるところで立て篭りが起きて勝負にならないという(分かる人にしか分からない思い出)

それでは感想に移ります。七人の落ちこぼれスパイの少女たちと、彼女たちを指導することになる極上のスパイ・青年クラウスが超高確率で死亡する危険なミッションに挑むというもの。前半はクラウスと今回サブタイトルになっている少女リリィを中心としたまさに「スパイ教室」……授業で、これから死と隣り合わせのミッションに挑むとは思えないほどコミカルなテンションで進行していく。後半の本番もコミカルさは失われずにポンポン進むので読みやす。途中で気づいたのだけど、主人公はリリィではなくクラウスなんだなあ、と。リリィ視点がほとんどなので分かりにくかったけど。

分かりにくいというと、リリィ他のスパイ少女たちの見分け方。正確には読み分け方か。これにストレスを感じていたのだけど、終盤、実はそれには大きな理由がある、というのがこの作品最大の見せ場でもある。理由があるなら良しとします!
と、なるとサブタイトルの名前の女の子が各巻クローズアップされるスパイなのかな。