飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「完全無欠の新人魔術生 伝説の最強魔術師、千年後の世界で魔術学校に入学する」感想

完全無欠の新人魔術生 伝説の最強魔術師、千年後の世界で魔術学校に入学する (角川スニーカー文庫)

〈あらすじ〉
魔神を討伐した六英雄の1人である魔術師・ギルフォード。魔神との戦いで瀕死の重傷を負ったギルは永い眠りにつき――目覚めた時、何故か千年が経過した上に若返っていて!? 千年前とは違う平穏な日々や常識――本来は秘匿するべき『特異魔術』をひけらかす魔術師達に戸惑うギル。それでも、「俺たちが手に入れた平和なら、謳歌しても文句はないよな」第二の人生を楽しむべく、最高峰の魔術学校に難なく入学し、常識外れの言動と能力で数々の伝説を打ち立てていく! 名門魔術学校での青春、そして謎の組織・アビスの暗躍――最強魔術師による新たなる王道魔術学園ファンタジー、開幕!!

なうり神のイラストなので買いました!(正直)
なので特にあらすじ等は調べに読み始めましたが……これも正直に言うと、期待はしていないかったのだけど……ごめんなさい、面白かった!

主人公は大戦で魔神を封印した魔術師・ギルフォード。魔神との戦いで深傷を負ったギルは仲間によって死の淵から復活を遂げる……のに千年の時を要した。目覚めると幼児になっていたギルは、千年の間、自分を守り続けてくれた吸血鬼のクローディアと共に身分を隠し、田舎で平穏に暮らしていた。そんな最中、魔術師としての才能を見込まれる出来事が起きたことから、ギルはエリート魔術師学校に通うよう薦められる。今では魔神を倒した六英雄の一人として讃えられるギルは今更学校に行くことを悩んだが、戦いばかりだった千年前とは違う青春を送って欲しいというクローディアの願いに共感し、決意する。人生を楽しむため、ギルは魔術師学校に入学し、そこで大切な仲間たちと出逢い……そしてギルの想いとは裏腹に大きな陰謀に巻き込まれていく。

一気に読みおえて思ったのは「読ませるべきところをしっかり読ませる」展開が上手いなあ、と。長々と引っ張らずに昔の出来事を終え、早々にギルの新しい人生が始まる。ひとつひとつの展開が長くならず幼少期から少年期までポンポンと話が進み、この作品大部分の舞台となるエリート魔術師学校へ。そこでギルはプライドが高い真面目なドロシーと、かつての仲間の血統を継ぐベルに出会う。

特にドロシーは最初ギルに対する当たりが強かったが、終盤に命を賭けたやり取りから絆を深めていく辺り、正ヒロイン感が強い。個人的には、なうり神のイラストもあってベルが好きです。こっちはこっちで昔ギルと色々と会ったであろう女性にそっくりらしいので、その辺りのエピソードも読みたい。

危機的状況も、滅茶苦茶強いギルがひっくり返していくのが気持ち良いねえ。戦いばかりだった昔が昔だけにやたら懐の深いギルの性格もあって、本来なら付き合いにくいドロシーとも結果的に上手くやれるようになったし。ギルは優しい。ちょいちょい女の子のこと気にしてるのも面白い。幼なじみ?のユフィも再登場してヒロインズに乱入するのかな。いやーどんな学園生活送るのか楽しみですね。イベントは盛り沢山っぽい!