飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第一部「兵士の娘I」」感想

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘I」

〈あらすじ〉
幼い頃から本が大好きな、ある女子大生が事故に巻き込まれ、見知らぬ世界で生まれ変わった。貧しい兵士の家に、病気がちな5歳の女の子、マインとして…。おまけに、その世界では人々の識字率も低く、書物はほとんど存在しない。いくら読みたくても高価で手に入らない。マインは決意する。ないなら、作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書。本に囲まれて生きるため、本を作ることから始めよう!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー開幕!書き下ろし番外編、2本収録!

椎名優さん担当作品を読むの久しぶりで、美麗なイラストに心癒されました。「月と貴女に花束を」からのファンで、マイバイブルである「エンジェル・ハウリング」のイラストも担当していたので、個人的に思い入れのあるイラストレーターさんだったりします。

アニメ放送前から一部ラノベ読み(ブログ)にて評判の高いこの作品。割と時間の取れるようになった今だから読んでみました。

読んでみて、なるほど、これは評価が高いはずだ。描写のひとつひとつがとても丁寧で、そして何より「本の虫」の主人公・マインがどれだけ本好きか良く良く分かる始まりとなっていた。文字読みたさに本を作り出そうとするこの情熱。面白いのが一番近くにいるマインの家族がそれを汲み取ってないというか、娘の才能に気づいておらず、ただただ素朴なところ。

確かに元々が二十歳を超えた学生だから、子供にしては頭が良いのだけど、それも二十歳のなってしまえば埋まってしまう。マインの真の才能は本を貪欲に求めていることで、この情熱があれば達成できそうなのは明らか。彼女の才能に気づいた周囲の頭の回る大人は、まあほっとかないよねえ。金の成る木ですよ。マインが今後どのように周囲を掻き回していくのか、楽しみです。