飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「底辺領主の勘違い英雄譚 1~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~」感想

底辺領主の勘違い英雄譚 1 ~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~ (オーバーラップ文庫)

〈あらすじ〉
犯罪者や異教徒が跋扈する荒廃した最悪の土地・ベイバロン領。 若くして家督を継いで領主となったリゼは、凶悪な領民に殺されないため、一つの決断を下す。 それは――領民に媚びへつらうこと!
“王族や貴族にのみ与えられた神の力”とされる魔法を領民のために使いまくれば、幸せな暮らしを手に入れられる!
……はずが、いつの間にか領民に「国家への反逆者」だと祭り上げられ――!?
「「「さぁリゼ様、邪悪なる国王を討ち取りましょう!」」」
「(どうしてこうなった!?)」
浅慮さで右に出るものはいない、考えなし領主による最悪の領地運営譚、開幕!

イラストがファルまろ神だから買いました!……最近、感想記事の始まりだいたい同じ導入な気がするけれど、本当にイラストでまず買ったんだから仕方がないじゃない!(怒)

最低最悪だった領地をどんどん豊かにしていく領主様。はい、こう聞くとどれだけの切れ者なのだろうか、と思うところだけど、この作品は違います。驚くほど考えが浅い!こんなに考えが浅い主人公って早々いないと思う。

ガラの悪い領民の内乱を恐れて、得意を通り越え規格外の威力(?)を持つ回復魔法を使って人々を癒し続けて(保身)いたら、いつの間にか慕われるようになったベイバロン領主の少年・リゼ。天然100%の彼の善意+保身によって、周辺の領地は経済侵略にあったりモンスターを解き放たれたりドラゴンを消しかけられたりと酷い目に遭わされ。そして最後にはその領地を救う英雄として人々を率いて乗っ取るという鬼のような所業を繰り返します。

リゼ以外の人間は彼を過大評価し畏怖するが、本人は上記の通りこれといった考えもなくやっていることなので、ある種の悪意よりもたちが悪い。彼を慕う(崇める?)宗教の教祖(美少女)アリシアや獣人族のお姫様(美少女)・イリーナといった癖のありすぎる面々の成果もあり、着実に国家に対する反逆も目論む英雄リゼが誕生しているのだけど、本人だけが全く気づいてないところも含め、もはやギャグラノベ。そんなことやったら王族の反感買うでしょ!ってこと善意でやらかします。ただこのコミカルなノリが良い。領民もリゼを崇拝しているから、全面戦争待ったなしの状態をどう料理していくのか。続きが楽しみです。