飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「日和ちゃんのお願いは絶対」感想

日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)

〈あらすじ〉
海と山と坂の街、尾道。(たぶん)日本の果てで(きっと)世界の果ての、この街で。俺は彼女―日和と恋をした。ほんわかしてて、かわいくて、どこかちょっと流されがちで。それなのに…「―わたしのお願いは、絶対なの」聞いてしまえば誰も逆らう気になどなれない「お願い」。彼女の持つその力が、俺の人生を、世界のすべてを、決定的に変えていく。そしてすれ違いの果てに、日和が願った結末は―。「―でも、もう、忘れてください」世界なんてきっと簡単に壊れてしまうのに。俺たちの恋だけが、どうしても終わってくれない―これは終われないセカイの、もしかして、最後の恋物語

表紙を見ただけであらすじは読まずに本編読み出したのだけど。「思ってたのと違うと思ったら最後は思ってたのになった」というのが素直な感想です。読んでない人にはなんのことか良く分からないでしょうが、本当にそう感じたので仕方がない。

仲の良いクラスメートの女の子に告白されて、悩みつつも付き合うことになった男子高校生の青春を描いたお話。が、途中からセカイ系に変化します。セカイ系ってもしかして死語ですかね? 告白してきた女の子は実は「お願い」を相手に強制できる力の持ち主で、ある秘密組織のトップでもあり、某国からその身柄を狙われているという設定。思春期の男女の甘酸っぱい青春劇にぶっこまれるスパイス。でもそのスパイスがおかしな具合にならず、しっかり味わい深く青春劇に溶け込んで落とし込めてるのは凄いと思った。

やり方によっては世界を支配できる力を持った女の子が、好きな男の子の想いひとつに揺れる。その想いを強制できる中で、最後は真実の想いを手に入れたところは良いのだけど、それはそれとして世界との対決は続きそうで、そっちはそっちで気になるのですが(笑)