飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「転生魔王の大誤算 〜有能魔王軍の世界征服最短ルート〜」感想

転生魔王の大誤算 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート~ (GA文庫)

〈あらすじ〉
歴代最強の実力を持つ魔王ケンゴーにも決して漏らせぬ秘密があった。「転生前より状況がひどくない!?」前世の彼は、伝説の不良だった兄と勘違いされ舎弟たちから尊敬を集めた、草食系高校生の乾健剛だったのだ!今度こそ平穏に生きたいのに、より凶悪な魔族達に臣従され、いつ本性を見抜かれるかハラハラの生活を送るケンゴー。だが命惜しさに防御魔法を極めれば無敵の王と畏敬され、ハーレムに手を出す勇気がないだけなのに孤高だと逆にモテ、臣下の顔色を窺えば目配りの効く名君だと絶賛の嵐で、第二の人生は順風満帆!?これは己の強さも権力も持て余し、誤算続きで名声まで爆上げしてしまう、転生魔王のサクセスストーリーである!

最近気が付いたというか嘘随分前から気付いてたけど、あわむら赤光作品を結構フォローしているなあ、と。「買っておけば面白さについてはとりあえず間違いないだろう」という安心感がね。僕の中ではリスト入りしてます。

ヘタレな高校生が魔王に転生したのだけど、ヘタレであることを側近たち(一部除く)にバレないよう、人族たちと争いを繰り広げる日々を送ってるケンゴー。魔王ケンゴーのヘタレな態度や言動が何故か側近たちに深読みされて畏敬に変わるお約束感があり、魔王サイドの物語なのにほのぼのしてる。

本人は争うことを嫌っているけれど、実力は魔王の名に恥じぬ力の持ち主。でもゆるーい側近たち(強い)にビビりまくってる、ケンゴーと愉快な仲間たちのコミカルな感。これを楽しめるどうかがこの作品の肝かな。ヘタレでビビりなだけに油断のない魔王ケンゴーの覇道=恒久的な世界平和への道程は、うん、側近たちとおかしな人族たちのせいで遠そうだなあ。