飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

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「"葵" ヒカルが地球にいたころ……(1)」感想

"葵" ヒカルが地球にいたころ……(1) (ファミ通文庫)


「俺はヒカルの友達だっ! ヒカルが生きている間に会ったのが一日のうちの、たった数分だって、俺たちは出会って! 友達になったんだ!」

この手の「成仏できない幽霊に取り憑かれる」モノは、取り憑かれるのが男なら女が取り憑き、女が取り憑かれるなら男が取り憑くと、異性同士が設定として『当然』のことだと思っていたので、男に男が取り憑くのは奇妙な新鮮さがあった。それと同時に男(主人公/見た目がヤンキー顔)と男(幽霊/見た目が美少年)ということもあって、もしかして少年系レーベルとは違う方向性の作品では?という危惧はあったが杞憂でした。
主人公・是光と彼に取り憑いた幽霊のヒカルは容姿と性格が正反対で接点がなさそうな二人であるが『友人がいない』という嫌な共通点があり、最初はヒカルに友人と呼ばれるのを拒んでいた是光だったがヒカルのことを知る内に受け入れ本当の友人になるまでの過程が熱い。
その『友人になるまでの過程』…ヒカルの婚約者・葵の誕生日に七つのプレゼントを是光が死んでしまったヒカルの代理人になって贈ることになるのだが、これが一筋縄ではいかない。美少年で天然のタラシであり多くの女性と関係を持つヒカルに対して線を引いてしまった葵。頑なにヒカルの想いを拒む葵と、葵を保護者のように護る朝衣の存在が障害となり思うように進まない。それでも心を折ることなく、ヒカルの友人として時に熱くなり時に冷静になって葵の心に歩み寄っていく是光に心が暖かくなる。
是光の行動に最初はツンケンして見ていた式部が是光の真っ直ぐな想いに惹かれ始める姿は、読者が是光の熱血にぐいぐい惹かれる想いに重ねているのではないかと勝手に思ってみたり。
ヒカルからのプレゼントを受け取り、自分の心に押し込めていた暗い想いを払拭出来た葵の姿が美しいね。
想いを遂げ成仏するかと思いきや、しれっとまだ是光に取り憑いているヒカルのお約束に笑った。
ヒカルの死にまつわる件で朝衣が何か知っている、もしくは彼女が殺したようなことが描かれているが、これはミスリードな気がするな。
しかし今後のヒロインが葵なのか、式部なのか、そこが問題だ!