「火の国、風の国物語13 英傑雄途」感想
火の国、風の国物語13 英傑雄途 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 師走トオル,光崎瑠衣
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/09/17
- メディア: 文庫
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「アレス、命令だ」
クラウディアのそれは、独り言ではなく、命令だった。
「この国の戦乱を終わらせよ。そして、一人でも多くの命を救うのだ」
距離など関係ない。かつてアレスがクラウディアの命令に逆らったことは一度もないのだ。
あとはただ、アレスを信じるだけだった。
『火の国、風の国物語』ついに完結!
本当に楽しい物語でした。ここまで心を熱くする、続きがどうしようもなく気になる物語はそうそうないと思います。僕は続きが出たとしても何ヶ月も積んでしまう人間ですが、火風は数少ない発売して手に入れたら一気に読むライトノベルでした。
アレス軍とフィリップ軍の全面戦争。
アレスだけでは為し得なかった。ジェレイドだけでは為し得なかった。そしてこの二人だけでもは為し得なかった、これまでアレスとジェレイドが築いた人との繋がりが最終戦争に勝利した最大の要因だった。何でも自分で背負いたがるアレスとジェレイド、特にアレスがみんなの力を求めたことが彼の大きな成長を描いていたと思う。
大聖堂でのアレスとフィリップの決闘の王道といったら。フィリップとの婚姻を進める花嫁クラウディアを救うべく敵陣に切り込み颯爽と現れたアレスに惚れるよ。
パンドラの加護を受け絶対的に優位に立ちながらも、アレスに敗れたフィリップ。人として堕ちた彼を最後まで見捨てることのなかったルノアは、僕が思っていたよりもずっと『イイ女』だったな。
戦乱が終わり、クラウディアを妻として王になったアレスが選んだ道は彼らしいモノでした。
クラウディアに命じられて人々を助けるために国中を走り回っていたらアレスが王城に引き籠もっているなど出来るはずもないよね。
旅に出るアレスとクラウディア。そしてお供の侍女シオーネ…まではいいが、アレスを愛するミーアとベアトリスも同行するとは…予想通りでした!
師走トオルさんによると続編の構想があるみたいですが、どう考えてもラブコメ展開しか想像出来ねえ…!
へたれアレスの物語はまだまだ続く(ことを信じてます)
頑張れ、正妻!