飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「いもうとがかり」感想

いもうとがかり (MF文庫J)

いもうとがかり (MF文庫J)

「だから、恋、帰らないで。ずっと一緒にいて欲しい。ずっとつきあって欲しい。僕は恋に地球のことを教える。だから、恋は、僕に木星のことを教えて欲しい!」

何でも物事を確立で考える超現実思考の主人公天乃翔太は、同級生で憧れていた一片愛に告白する。玉砕覚悟の告白だったがなんと「つきあってもいいぞ」の答え。告白成功!…かと思いきや、告白した相手は愛にそっくの妹恋。しかも恋は自分のことを『木星人』と称する不思議な少女で、戸惑う翔太は妹ラブの愛に頼まれたこともあり、木星人の恋を地球人からを守る『いもうとがかり』になることに。というお話。

ラブコメ、というよりも青春小説の方が合っている内容。
木星人を名乗り「地球人を理解するためにショータと付き合う」と言動も電波な恋に、最初は辟易としながら接していた翔太であったが、彼女と付き合いを重ねることで徐々に恋に惹かれていく。読み手としても、単なる痛い言動を繰り返す女の子でしかなかった恋が、木星人と言いながらも普通の女の子であることが分かる流れがしっかり描かれていて良かった。読んでいて常に思っていたのはリアリストの翔太と、それとは真逆の恋が心底お似合いだと言うこと。

最後の愛の件を読むと、手の内で見事転がされていたな。妹大好きお姉ちゃんに過ぎないと思っていたから、ここで印象がガラリと変わった。勿論、良い意味で!
2巻の予定もあるようなので一片姉妹に弄ばれる翔太に今後も期待。