飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「ニーナとうさぎと魔法の戦車 4」感想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 4 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

ニーナとうさぎと魔法の戦車 4 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)


圧倒的な破壊力のエルザ×クー回でした。読んでいる最中イスをギッコンバッタンさせて悶えてましたよチクショウめっ。
当初から男性の主要登場人物がおらず百合百合しいところがあったが、巻を重ねるごとに百合要素が増してきてるなぁ。前回のニーナとアリスに続いて、今回はエルザとクーの絆…というよりも『愛』を書いた物語になってる。あまりにベタベタするニーナとアリスにいつもの調子で文句を言ったエルザであったが、逆にクーとの仲を指摘されて動転する姿が非常に分かりやすい。前巻から交際をスタートしたニーナとアリスの愛は順調で、アリスの方が積極的にニーナを想っている描写が読めて僕も幸せです。

何だかんだ言いながらも仲の良いエルザとクーの元に届いた一通の手紙が二人の絆を試す今回のお話になる。クーを退学にした国立学園への復学案内。その案内が尊敬するエミリアから送られたものだと知り喜ぶクーと、その姿に不安と嫉妬覚えるエルザ。復学は一時保留にして学園を訪れたラビッツのメンバー。そこでクーが退学するに至った一因である貴族の元同級生に会い、罵倒と暴力を受ける彼女を救ったのはエルザではなくエミリアで、姫を守る騎士のように颯爽と現れたエミリアの格好良さはクーでなくても惚れ惚れする。が、それをエルザが面白そうに見ている訳もなく。もともと相反する貴族であったことから対立するエルザとエミリアであったものの、エルザの口撃には嫉妬が入り混じり、そのせいでクーと仲違いをしてしまう。半ば自棄になっている二人。けれども別れてから見えてくるものがあり、それを説いたのがアリスであるのがニーナ愛に生きる彼女らしかった。自分の気持ちに素直になったエルザは強いぞ。

誇り高い貴族だと思っていたエミリアも結局は感情に囚われるただのヒトであり、兄の研究を達成することに拘る彼女はクーの身体を使って実験しようとする。人体実験により眠りにつくクー…だけど、このシチュエーションは眠り姫を起こす王子役そのものをエルザに担わせるために用意したよね。期待通りキスでクーを目覚めさせるエルザのシーンはシリーズ最高のイラストに!
今回の物語中伏線の張っていた『ストームブリンガー』が現れるも、こういった強敵が最後に出て来て巻を締めるに相応しいボスっぷりを見せて倒されるのはもう定番な感じが。更に武勇を広めるラビッツ。

これで一軒落着かと思っていたら、エピローグで最大の破壊力をエルザが発揮。クーに愛の告白したエルザと周囲の反応を描いたイラストは神ですか。
とりあえず結婚式には呼んでください。お願いします。