飼い犬にかまれ続けて

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「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3」感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)


作家渡航の自叙伝とも言える『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』第3巻。恒例になった帯にコメントを寄せる大物作家は今回『田中ロミオ』さんとこれまた凄い人に。ドラマCD化もされて波に乗り、ロミオさんの言葉通り「天下を取っちゃいそう」な勢いを感じる作品に成長してきた。

前回の最後で行き違いを起こした八幡と結衣。ぼっちに徹してクールであろうとする八幡は結衣を意識し、また結衣もそれを感じて八幡を意識してしまい疎遠スパイラルに陥る。歳を重ねるに度に自然と疎遠になり、やがて自分の人生からいなくなっていく…そうなりかけていた二人を引き留めたのが、一番他人に興味がないように見える雪乃。これまでにも雪乃が結衣を『友人』として想う気持ちの一端は描かれてきたが、はっきりと行動に出たのはこの巻が初めて。思えば感情らしい感情を見せない『雪ノ下雪乃』というヒロインがしっかり描かれたのも今回が初めてではないかな。読み手は雪乃という人物を良く知らなかった。それが今回の八幡と結衣の関係を通し、友人である結衣を失いたくない想いから動き出す雪乃の姿を見て、初めて彼女を可愛いと思った。雪乃と相反する彼女の姉である陽乃を見て、一層そう感じた。実は分かりやすい性格で飾らない雪乃は本当に可愛いよ。

そしてもう一人、材木座の存在。材木座のトラブルから発展した脱衣トランプゲームが、最終的には今回の話で燻っていた八幡を本調子に戻したという意味では影の立役者ではないだろうか。しかし渡航さんは『スクライド』好き過ぎだと思う。

八幡と結衣の関係。雪乃の至極単純な言葉が、お互いに「まちがっている」想いをリセットさせる。八幡と雪乃と結衣の関係…奉仕部はこれから始まるのだ。

最後に…戸塚は俺が守る!

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫)

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